研究課題/領域番号 |
61230005
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
水本 清久 東大, 医科学研究所, 助教授 (80092344)
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研究分担者 |
田仲 道子 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (60114550)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1986年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | キャップ構造 / キャッピング酵素 / mRNAグアニル酸転移酵素 / RNA5'-トリホスファターゼ / RNAポリメラーゼ【II】転写開始複合体 / キャッピング酵素抗体 |
研究概要 |
mRNAキャッピング酵素はmRNAグアニル酸転移酵素活性とRNA5'ートリホスファターゼ活性から構成されている。動物細胞からの酵素は単一ポリペプチド鎖からなるのに対して、酵母のキャッピング酵素はサブユニット構造を有する。キャッピング酵素の構造と機能をさらに解明するために、本年度の研究実施計画に基いて研究を行い、以下の成果を得た。 (1)Artemia salina(brine shrimp)の胚よりキャッピング酵素を均一標品となる迄精製し、そのドメイン構造を解析した。精製酵素(73KDa)はトリプシンによる限定分解で44KDaのグアニル酸転移酵素ドメインと32KDaのトリホスファターゼドメインにそれぞれ活性をもった状態で分離された。両ドメインとも基質特異性やRNA鎮認識能においてインタクトな酵素と大きな差違は認められず、それぞれがかなり独立したドメイン構造を形成していると推定された。 (2)酵母よりキャッピング酵素を高度に、かつ大量に精製する方法を確立した。精製酵素は80KDaと52KDaのサブユニットから成り、SDS-ゲル電気泳動後のin situ アッセイによって前者がトリホスファターゼ,後者がグアニル酸転移酵素活性を有する事を証明した。(3)酵母の精製酵素でモルモットを免疫し、同酵素に対する抗体を得た。本抗体は酵母の酵素に特異的であり、ラット肝,A.salina,ワクシニアウイルスからのキャッピング酵素とは反応しなかった。又、Western blot法からこの抗体は酵母酵素の両サブユニットを認識した。(4)λgt11を発現ベクターとする酵母遺伝子ライブラリーを上記抗体を用いてスクリーニングし、グアニル酸転移酵素遺伝子を含むクローンを分離した。このクローンは約3.5Kbの酵母遺伝子を含み、目下、その構造を解析している。(5)in vitro転写系を用いてRNAポリメラーゼ【II】による転写開始反応を解析した。キャッピング酵素が転写開始複合体中に特異的に含まれることを見出した。
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