研究概要 |
1.recAの精製 小川らによって確率された方法により、plasmid pTM-2をもつE.Colistrain C600を培養して、細胞破砕,硫安沈澱,クロマトグラフィー等を経て、純粋なrecAタンパク質を得、水-グリセロール溶液に保存した。 2.recAの自己会合のプロトンNMRによる研究 このようにして得た recAを重水溶液中でプロトンNMRを測定して、比較的良好なスペクトルを得ることが出来た。自己会合の効果を調べるために、NaCl添加の効果をNaCl濃度0-1Mに渡って調べたが、顕著な変化は認められなかった。マイルドな界面活性剤であるヘプタントリオールを250mM(モル比にして約3000倍)まで添加したが、これも顕著な変化は認められなかった。 3.recAの内部運動領域の研究 プロトンNMRにおけるスピン拡散の方法を用いて、内部運動領域を調べた。その結果、いくつかのAla/Thr,Val/Leu残基を含む内部運動領域が存在することが判明した。現在、プロトンNMRによりこの領域の同定を試みている。 4.recAのATP-δ-S及びSingle-Stranded(SS)DNAによる滴定 ATP-δ-Sを少しずつ添加しながら、recAのプロトンNMRスペクトルの変化を観察した。差スペクトル上で Tyr環プロトンの吸収に変化が現れた。これはTyrがAPTの結合部位であることを示すものと解釈される。これは、他の方法からの推察と一致する。今後、SSDNAとの相互作用様式についても同様の方法で調べる予定である。
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