研究課題/領域番号 |
61231017
|
研究種目 |
特定研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
祖父江 憲治 阪大, 医学部, 助教授 (20112047)
|
研究分担者 |
田中 敏彦 大阪大学, 医学部, 助手 (20163545)
|
研究期間 (年度) |
1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1986年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | シナプス / カルスペクチン / カルモデュリン / スペクトリン / 4.1蛋白質 / シナプシンI / サイトシナリン |
研究概要 |
シナプス部の基本構成蛋白質が明らかになってきたが、各蛋白質の機能と蛋白質間の相互作用、さらにその機能である神経伝達や神経可塑性については殆ど分かっていない。私たちは、シナプス部に大量に存在するカルスペクチン(カルモデュリン結合スペクトリン様蛋白質)を発見した。この蛋白質は細胞膜を裏打ちし、アクチンとの接点となり、トランスメンブランコントロールや、特殊な細胞膜構造体形成に関与していると考えられる。カルスペクチン-アクチン相互作用の制御機作を解明するため、以下の実験を行なった。粗カルスペクチン分画(主にカルスペクチン=アクチン複合体)はアクチンを架橋し粘度を上昇させるが、【Ca^(2+)】・カルモデュリンにより抑制される。赤血球スペクトリン-4.1蛋白質-アクチン系の【Ca^(2+)】制御もカルモデュリンと4.1蛋白質の相互作用を制御していることを明らかにした。この系でスペクトリンをカルスペクチンに置き換えても、【Ca^(2+)】感受性を示した。実際、粗カルスペクチン分画中に4.1蛋白質抗体と交叉する蛋白質を見いだした。以上のことから、カルスペクチン・アクチン間の【Ca^(2+)】・カルモデュリンによる感受性因子は、4.1蛋白質あるいはその関連蛋白質と考えられる。また、神経伝達機構で注目されているシナプシンIがアクチン・カルモデュリンと結合することも見い出した。 シナプス膜分画で発見したカルモデュリン結合蛋白質の1つサイトシナリンは、アクチンの粘度を上昇させ、微小管重合を促進し、カルスペクチンと結合することから、神経細胞骨格の制御蛋白質として機能していることが期待される。
|