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脊髄損傷後の運動機能代償と神経回路の可塑性

研究課題

研究課題/領域番号 61231025
研究種目

特定研究

配分区分補助金
研究機関札幌医科大学

研究代表者

青木 藩  札幌医大, 医学部, 教授 (50001871)

研究分担者 藤戸 裕  札幌医科大学, 医学部, 講師 (40133144)
研究期間 (年度) 1986
研究課題ステータス 完了 (1986年度)
配分額 *注記
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1986年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワードサル / 脊髄半切 / 軸索側枝 / 可塑性 / 皮質運動野 / 逆行性HRP法 / 運動機能代償
研究概要

サル(カニクイ,5頭)を用い、神経回路における可塑性の実態を脊髄損傷後の運動機能代償との関連で解析した。本年度は脊髄の下行運動経路に軸索側枝などの可塑的変化が生じる可能性を調べた。脊髄を下部胸髄レベルで半切断し、数か月経過した慢性脊髄半切サルについて、逆行性HRP法を用いて、健常側脊髄を下行し、半切側下肢筋支配の運動ニューロンと接続するとみられる線維の起始細胞の同定を行なった。
実験は比較の為、3群すなわち、脊髄無傷の対照群(2),急性半切群(1),慢性半切群(2)にわけ、麻酔下に腰髄部(L6,7)に4〜5か所にわけ、HRP(30%,1μl)を注入した。4日生存後、大脳皮質運動野および脊髄を取出し、凍結切片を作成した。これらの切片をBDHC又はTMB法で反応させ、運動野におけるHRP標識細胞の分布,数,脊髄のHRP注入部位を調べた。
対照群では、1切片当りの標識細胞数を調べ、細胞密度比(注入反対側の標識細胞数に対する同側の細胞数の割合)を計算すると、2頭のサルで注入反対側は31.2,95.7,同側で1.2,4.7であり、細胞密度比は0.04,0.05であった。急性半切群では注入反対側で1.9,同側で0.2,細胞密度比は0.11であった。慢性半切群では2頭について、注入同側で4.4,6.3,反対側で1.1,4.0であり、細胞密度比は4.0,1.6であった。
これらの3群についての実験から、慢性脊髄半切サルでは半切同側の大脳皮質運動野のHRP標識細胞数が著しく増加する事が示された。この成果は、半切の同側および反対側皮質運動野から、非半切側脊髄を下行する皮質脊髄路線維が腰髄レベルで交叉し、半切側の下肢運動ニューロンと接続するという神経回路の可塑的変化の可能性をさらに強めた。この場合、腰髄で交叉する線維は下行線維の側芽によるとみなされる。この点はWGA-HRP法を用いてさらに検討する予定である。

報告書

(1件)
  • 1986 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Aoki,Mamoru: Electroenceph.Clin.Neurophysiol.61. 44 (1985)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] Aoki,Mamoru: Neuroscience Research. 3. 617-627 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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