研究課題/領域番号 |
61231027
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
高坂 新一 慶応大, 医学部, 助教授 (50112686)
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研究分担者 |
吉田 一成 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (70166940)
藤城 正敏 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (40173421)
井上 洋 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (70138030)
高松 研 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (90154898)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1986年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 神経細胞 / 生存 / 初代培養 / 海馬 / fimbria fornix / ガングリオシド / 2次元電気泳動 |
研究概要 |
我々はラット胎児脳の初代培養系を用い、成熟ラット脳の抽出液を培養液中に添加することにより、神経細胞の生存を促進する因子につき検討を加えた。胎生16日令のラット大脳半球を分散した後poly-L-lysineでコーティングしたカバースリップを用い、15%FCSを含むMEM培地で9〜11日間培養した。その後Neurofilament(NF)に対する坑体を用い免疫組織化学的に神経細胞を同定してみると、神経細胞の数は極めて少なかった。一方培養液中に生後4週令のラット大脳抽出液を添加すると多数の神経細胞が生存しており、脳抽出液中には神経細胞の生存を促進する因子が存佐することが示唆された。次にこの因子が脳のいかなる部位で高いかを検討した結果、海馬を含む脳幹部に高いことが明らかとなった。更に中隔核から海馬への入力線維であるfimbria farnixを切断することにより、海馬由来因子の活性がいかに変化するかをみてみると、切断後14日目をピークに活性が上昇することが明らかとなった。このことは本因子が通常では海馬から中隔核へ逆行性に輸送されていることを示唆しいる。fimbria fornix切断後1日目と14日目の海馬抽出液中のガングリオシドについて検討してみると、GD1a,GM4には全く差はみられなかったが、GT16は約2倍に増加していた。しかしながらGT16培養液中に添加しても神経細胞の生存を大進する効果はみられなかった。このことからfimbria farnix切断後14日目をピークに上昇する成長因子はガングリオシドでは説明されず、恐れく蛋白性の因子が関与しているものと孝えられた。最後に1日日目と14日目の抽出液中の蛋白を2次元電気泳動により比較解析した、多くのバレドは両者の間で差異は認められなかったが、分子量1〜2万、pI4〜6の領域の蛋白が14日目のものでやや増加している傾向が認められた。
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