研究課題/領域番号 |
61232005
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
神野 耕太郎 医科歯科大, 医学部, 教授 (40025630)
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研究分担者 |
酒井 哲郎 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (40153845)
廣田 秋彦 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50156717)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 初期胚血管網 / 収縮能 / 血管粘弾性 / 光学的測定 |
研究概要 |
1.初期胚血管網における脈波 初期胚における血管網(omphalomesenteric arteries)の多数ケ所から、血管壁の微小振動としての脈波を光散乱変化として同時記録した。ふ卯約44時間の初期胚の血管網において、脈波に由来する光学的シグナルが検出された。その波形や大きさには場所的な違いがあるが、波形は比較的単純で一相性か二相性を示した。大きさは心臓近くでもっとも大きく、心臓から遠ざかるに従って急激に減衰するのがみられた。さらに、波形は血管の分枝にも関係していることが認められた。さらに、脈波の伝播速度を、光学的シグナルの立ち上がりの時間と測定点間の距離の関係から算出して約48mm/secが得られたが、これは、この時期における血管の弾性係数が非常に小さいことを示している。しかし、伝播速度は胚の発達に従って次第に大きくなることが示された。以上の結果から、初期胚血管網では、血管壁の弾性要素である弾性板や弾性線維が未発達であることがわかる。これらの発達には代謝的要素に加えて、血流動態がその因子として関与していることが考えられる。 2.初期胚心臓の動脈起始部における興奮一収縮連関 メロシアニン・ローダニン系色素(NK2761)を用いて、鶏初期胚管状心の動脈起始部における活動電位と収縮能の追跡を行なった。9体節期には心臓に興奮一収縮連関が形成されるが、動脈起始部では10〜11体節期にはじめて自発性の活動電位とそれに共役した収縮が検出された。これは、個体発生のかなり早い時期に動脈起始部に興奮能と収縮能をもつ平滑細胞が分化してくることを示している。しかしながら、それより末梢における血管ではこの発生段階では、興奮能,収縮能ともに検出することはできなかった。
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