研究課題/領域番号 |
61232010
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
遠山 正弥 阪大, 医学部, 助教授 (40028593)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1986年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 脳血管 / 神経統御 / エンケファリン / 上頚神経節 / セロトニン / 免疫組織化学 / SIF細胞 / ノルアドレナリン |
研究概要 |
昭和61年度は本研究班の公募班員として本研究に従事し脳血管の交感神経性統御機構の末梢性調節の拠点である上頚神経節においてまず従来より明らかとされていた血管に投射するノルアゼレナリン(NA)、ニューロペプチドY細胞やSIF細胞として上頚神経節内に終るドーパミン細胞に加えてセロトニン細胞やエンケファリン(EnK)細胞が存在し、この二種の活性物質が同一細胞内に共存することを証明した。引き続く免疫電顕による検索でこれらの細胞はNA細胞に直接の神経支配を及ぼしていることを証明した。この一連の研究の過程で我々は更に上頚神経節のEnK線維の一部は胸髄側角より節電線維として供給され上頚神経内のEnK・セロトニン共存細胞の終末とともに投射ニューロンであるNA細胞に直接シナプスをつくることを証明した。即ち脳血管統御の主役をなす上頚神経節のNA細胞は内在性及び外来性のEnKによる直接の調節を受けていることとなり、血管統御機構におけるEnKの役割の重要さを証明した。 更に最近我々はこの上頚神経節内に副腎皮質ホルモン放出因子(CRF)含有線維の存在を見い出した。上頚神経節への入力の 断すると同神経節内のCRF線維が消失すること、および同神経節内にはCRF細胞が認められないことよりこれらのCRF線維は節前線維由来であることが明らかとなった。免疫電顕での検索ではCRF線維が直接主細胞にシナプスをつくる像がしばしば観察され、CRFは節前線維の神経活性物質としてNA含有節後ニューロンの機能を直接統御していることが証明された。
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