研究課題/領域番号 |
61232011
|
研究種目 |
特定研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
祖父江 憲治 阪大, 医学部, 助教授 (20112047)
|
研究分担者 |
田中 敏彦 大阪大学, 医学部, 助手 (20163545)
|
研究期間 (年度) |
1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 血管平滑筋 / アクチン-ミオシン相互作用 / ミオシン軽鎖キナーゼ / カルモデュリン / カルデスモン / トロポミオシン / フィラミン |
研究概要 |
血管平滑筋収縮は骨格筋同様に【Ca^(2+)】によって制御されており、この制御機構の解明は各種循環器疾患の病態解明に寄与するものと考えられる。一般に平滑筋収縮のメカニズムの基本はアクチン-ミオシン相互作用にあるが、その【Ca^(2+)】制御機構については不明な点が多い。私たちは既に、砂嚢平滑筋におけるアクチン-ミオシン相互作用が、【Ca^(2+)】-カルモデュリン依存性ミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)によるミオシンの二重リン酸化(ミオシン側制御)と、カルモデュリン-カルデスモン-アクチン間のフリップ・フロップ結合(アクチン側制御)の両側から制御されていることを明らかにした。本年度、血管平滑筋におけるアクチン-ミオシン系【Ca^(2+)】制御機構追究の一環として、牛頸動脈平滑筋から硫安分画・カルモデュリンアフィニティーカラム・イオン交換樹脂HPLCによりカルデスモンおよびMLCKを分離精製し、砂嚢平滑筋の各蛋白質と比較検討した。私たちの開発した精製法は簡便であり、2日間で97%以上の純度をもつカルデスモンとMLCKが得られる。血管平滑筋と砂嚢平滑筋カルデスモンは分子量が少し異なるものの、アクチン結合性はほぼ同じであり、また共通抗原性を持つ。MLCKについては、分子量やアクチン結合定数が異なるが、アクチンへの最大結合量・酵素活性はほぼ等しく、やはり共通抗原性を持っている。培養血管平滑筋ではカルデスモン・MLCKはともにストレス線維に添って分布している。以上のことから、血管平滑筋にも砂嚢平滑筋と同様のアクチン側とミオシン側の両系による収縮制御機構が存在すると考えられる。また、平滑筋収縮におけるトロポミオシンおよびフィラミン(ABP)の役割をin vitro査構成実験により詳細に検討した。カルデスモンはトロポミオシンと共存下において、ABP-アクチン間を効率よく制御していることを明らかにした。
|