研究課題/領域番号 |
61232019
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
辻 卓夫 阪市大, 医学部, 助教授 (40047105)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 皮膚微小血管内皮細胞 / 分離・培養法 / 血管新生機序 / Collagen gel / 人血清 / 透過型電子顕微鏡 / 走査型電子顕微鏡 |
研究概要 |
正常皮膚微小血管内皮細胞の分離培養法についてはDavisonらの方法に従い、満足すべき結果を得た。たゞ培養条件についてDavisonらの方法では人血清を用いるが、人血清は入手方法が確立されておらず、またAIDSウイルスの問題もあるため牛胎児血清を用いる方法も同時に試みたが、この血清では内皮細胞の発育増殖はほとんど行われなかった。なお人血清を用いて培養した血管内皮細胞は増殖するにつれて島状のシートを形成し、同心円状に広がり、培養7〜10日でconfluentに達した。これらの細胞は蛍光抗体法にて第8因子抗原陽性であり、電子顕微鏡にて細胞質中にWeibel-Polade体を証明し得たことより血管内皮細胞であると判断した。次にこの内皮細胞を用いて血管新生を起こさせる条件としてまずDavisonらの方法を追試した。すなわち内皮細胞がconfluentの状態に達した時にこれにcollagen solで覆い、次いで【Co_2】インクベーター中に加温することによりcollagen gelの状態にする。このような状態において内皮細胞は以下の如く血管様構造を形成した。位相差顕微鏡所見:内皮細胞は一定の方向に集合し、各所で重層の索状構造を形成する。そして48時間までに集合内皮細胞は相互に強く接着し、これに続いて索状構造物内部に空胞様部分が形成され、これらはやがてその大きさを増し、索状構造の長軸に一致して細長い腔(管腔)となる。透過型電顕所見で管腔はtight junctionで連結された数個の内皮細胞により囲まれている。透過型および走差型電顕所見:索状構造物形成時には内皮細胞が集って1つの平面を作っているが、これが次第に円柱状に隆起し、その中心部の細胞の一部または全体が壊死となり、この部に大きな腔が出来る。この腔は他の部に出来た同様の腔と融合して、一連の細長い管腔が形成される。このようにして出来た管状構造は数日間持続するが、その後全体が崩壊する。なお今後の問題として1.他の血管新生条件を見つける2.血管新生促進又は抑制因子を発見する。
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