研究分担者 |
笠原 政治 横浜国立大学, 教育学部, 助教授 (70130747)
土田 滋 東京大学, 文学部, 助教授 (90014505)
村崎 恭子 北海道大学, 言語文化部, 教授 (10014515)
伊福部 達 北海道大学, 応用電気研究所, 助教授 (70002102)
高井 信勝 北海道大学, 応用電気研究所, 助教授 (30001340)
上野 善道 東京大学, 文学部, 助教授 (50011375)
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研究概要 |
1.北里蝋管レコードの音声再生と内容解析 円筒状蝋管レコードから音声再生を行なうための触針式及びレーザー光反射利用の非接触式による再生装置を試作し, それを用いた信号検出を行ない, 二つの再生方法を比較した. これら再生装置を用いて, 北里蝋管240本の再生に成功した. 再生・復元されたテープに基づき, 台湾高砂族・フィリピン諸族の言語及び民族音楽の内容解析と照合を行ない, 一部について文字化・採譜に成功した. アイヌ関係は, 現地のアイヌの人と接触し解析した. 2.浅井映像資料の再生・復元と解析 写真ネガはすべて拡大焼付を行ない, 8ミリ及び16ミリムービーフィルムはビデオフィルムに切換えを行なった. 再生・復元された写真ネガ及びムービーフィルムを解析クループと共同作業により編集し, さらに戦前現地で詳しく調査を行なったことのある故老に尋ねることによって, それらが撮影されたおおよその場所・年月を明らかにした. また, 内容の解析を行なった. 3.浅井レコード, 民族学振興会レコードの音声再生と内容解析 円盤レコードからの音声再生のための触針式及びレーザー光回折利用の非接触式による再生装置の試作を行ない, それらを用いて音声検出を行なった. 一般に古いレコードからの再生音には種々の雑音が含まれ, それらの低減処理の研究を行なった. 内容の解析は部分的に終アレ, レコードの大部分は現在死滅してしまった平埔族の言語, 歌謡を録音したものであり, 世界に二つとない貴重な資料であることが明らかとなった. 4.今後の課題:本研究の成果をふまいて, 次の研究が今後に期待される. (1)音声再生の実用装置への発展, (2)雑音低減法の系統的研究, (3)音声資料の再生完了とそれとの解析, (4)映像資料の整理・調査を深め, それをもとに本として出版することである.
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