研究分担者 |
与倉 弘子 滋賀大学, 教育学部, 助手 (50165784)
藤本 尊子 北海道教育大学, 教育学部・岩見沢分校, 助教授 (00115073)
泉 加代子 京都府立大学, 女子短期大学部, 助教授 (50105194)
松平 光男 金沢大学, 教育学部, 助教授 (10142621)
川端 季雄 京都大学, 工学部, 教授 (10025885)
米田 守宏 奈良女子大学, 家政学部, 助手 (20158538)
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研究概要 |
高性能の衣料用布地とは, (1)風合いにおいて高品質布地のもつ風合いを具備して人間感覚と適合し, (2)縫製による衣服の仕立て上がりの外観が美しくかつ着やすい性能を備え, (3)熱・水分の移動に関係する快適性を備え, (4)さらに(1)〜(3)の諸性能を長期にわたって維持する, いわゆる風合い耐久性を備える布地であるとの観点から, 本研究ではこれらを客観的に評価する方法を開発し, 高性能布地として紳士夏用スーツ地の設計へ応用し, 成功を納めた. (1)については, 布の力学的性質から布の風合いを数値によって客観的に表現し, その評価方法を確立した. (2)についてもアパレル技術者との協力により, 布が具備すべき力学的性質の明確化をはかり, 衣服生産に関わる布の力学的性質と高性能衣服のための布地の設計・制御に指標を与えた. (3)についても精密かつ簡便な衣服/皮膚モデル系を想定した熱・水分同時移動測定装置および通気性測定装置を完成させた. (4)については初期風合いの耐久性の評価結果を基に, 布の力学特性から着用過程における疲労を予測する方法を見出し, 高性能布地の指針を明らかにすると共に, (1)〜(4)を総合して高性能布地の設計方法を明確にし, 設計への技術的基礎を確立した. 以上の応用として, 高品質・高性能布地設計の試みを, ニュージーランドの粗い羊毛繊維を用いた夏用の高品質で快適な着用感の得られる服地について実施し, 紡績・製織・仕上・衣服の縫製の各過程での実施点検, 風合い・着用性能・縫製性・仕立て映え・風合い耐久性の各項目にわたる評価を行ない, 良好な成果を得て高性能布地設計への応用をはかった. 研究成果の第I部では高品質布地の風合い分析と客観評価の高精度化, 第II部では熱・水分移動特性が関わる快適性評価の基礎と応用, 第III部では以上を総合して高品質・高性能布地の設計試作とその良好な最終評価結果を得て本研究課題の目標を達成した.
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