研究分担者 |
牧野 洋一 熊本商科大学, 教養部, 教授 (00069949)
桧垣 巧 高野山大学, 文学部, 教授 (50123782)
三栖 寛 下関水産大学校, 教授
平田 順治 熊本大学, 文学部, 教授 (30036892)
益田 庄三 甲南女子大学, 文学部, 教授 (00046393)
MISU HIROSHI SHIMONOSEKI FISHERIES SCHOOL PROFESSOR
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研究概要 |
昭和61年度の研究成果をふまえて, 糸満糸漁民の活動のあとを本土を中心に追求した. 南西諸島(与論, 沖永良部, 徳之島, 喜界島, 奄美大島), 屋久種子島から甑島天草島, 五島列島, 壱岐対島さらに隠岐島, 若狭湾, 佐渡島まで日本海側では, 実態調査を行い, 太平洋側では, 高知沖の島から和歌山三重県さらに伊豆半島房総半島, 伊豆諸島(大島新島三宅島)および小笠原諸島にまで実態調査を行った. その結果, 糸満糸漁民の出漁形態が, 定住と出漁(出稼ぎ)漂泊に分類出来ることが理解され, 母村たる糸満市の資料と古老の話し等と符合照合し, 確実性をますことが出来た. 2年にわたる総合調査によって, 糸満糸漁民の活動のあとがほぼ確実にかつ広汎にわたって詳細に判明し, 総合研究の威力と如何なく発揮出来たと思う. 62年度は, 61年の調査内容の不充分な点, 各専門間の調整が進み下巻刊行のスケジュールもあわせて進行し, 1.経済学, 2.社会学, 3.民族学とそれぞれの調査内容の検討と執筆内容の調整が行われており, 63年度下巻としての刊行の準備もほぼととのった. 上巻については, 1年間の調査期間しかなかったが, 今回は2年連続の特質が大いに活用され, 上巻での反省点がかなり克服され, 総合研究学際的研究の特色が生かされたと考える. 総合Bを含めて4年間にわたる研究参加者は25名をこえ, 個人研究では, 不可能な研究集積をえたし, 恐らくこの分野の研究ではこれ以上のものは今後不可能であろう. またこの研究が, 未開拓分野である日本海洋民に関する関心を喚起した点は極めて大きいと自負する次第である.
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