研究課題/領域番号 |
61300019
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 武蔵工業大学 |
研究代表者 |
西野 忠 武蔵工大, 工学部, 教授 (30061485)
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研究分担者 |
桜井 正 武蔵工業大学, 工学部, 講師 (70061538)
永井 正幸 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (80112481)
佐藤 禎 武蔵工業大学原子力研究所, 所長, 教授 (80061464)
久次 武晴 佐賀医科大学, 外科学, 教授 (10037343)
小磯 謙吉 筑波大学, 臨床医学系泌尿器科, 教授 (20010192)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 尿路結石 / イオン交換による溶解 / イオン交換樹脂 |
研究概要 |
難溶性無機塩がH型強酸性イオン交換樹脂(H-Rと略記)の共存下で水中に容易に溶解するという極めて興味深い事実を見出し、本法を当初は尿路結石に適用せんと三大学の研究グループが構成された。以降、得られた研究結果につき討論会(別紙)を開き活発な討論と今後の解決すべき諸問題が提出された。以下、研究実績を概述する。武蔵工大に於ては、結石のキャラクタリゼーションを行い、粉末試料の溶解現象を市販H-R7種について比較検討した。かつ、巨大塊結石の溶解速度を調べ従来法(EDTA液の灌流)に比べ10〜15倍の速さで溶出する事実を得た。ただし、塊状シュウ酸カルシウム結石についてはやや緩慢で今後の機能性H-Rの開発が望まれる。また、本法による溶解機構が種々行われた実験結果から解明され、臨床応用への一助となった。すなわち、結石の溶解はH-Rと直接接触しなくとも進行することは、カートリッジ形式のH-Rを患部に挿入し水を灌流することで結石溶出が行える。また、結石溶解時のpH低下に対する諸対策も検討された。筑波大学ではin vitro及びin vivoでの実験が家兎膀胱中で行われ形態学的、組織学的研究がなされ、10時間浸漬では電顕的に表層の侵潤が見られるが他臓器へのコンタミは皆無であった。尚、上記侵潤は1週間後、治癒復帰した。また、膵石のH-Rによる溶解も試み、組成的には約90%の炭酸カルシウムであり溶解速度は極めて大きい(300mgが1〜2時間で溶解消失)ことが判明した。佐賀医大では胆石溶解に本法を適用し現在実験継続中である。また、臨床応用を控え、より適切で効果的な灌流方法を器具開発を含め検討している。尚、両医系大学において集められた各種結石(約200種)が武蔵工大に提供され、放射化分析による微量分析と同時に本法で溶解した後、イオンクロマトアサライザによる定量分析が準備中で近日中に全分析とその分類が公開されることになっている。
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