研究分担者 |
江島 恵教 東京大学, 文学部, 教授 (70115103)
辛島 昇 東京大学, 文学部, 教授 (10014466)
原 実 東京大学, 文学部, 教授 (40011283)
高崎 直道 東京大学, 文学部, 名誉教授 (60027969)
山崎 利男 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (20012966)
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研究概要 |
従来のインド思想研究は, 古代思想の研究に主力が注がれ, 中世思想の研究は比較的等閑に付されてきたといえる. もとより, 正しい近・現代のインド思想理解のためにも, 中世(600年〜1800年の約1200年間)の思想をダイナミックに把握することが不可欠であるが, これには, インド哲学・仏教学の研究者のみならず, インド史やイスラム教, 特にスーフィズムに精通した研究者の協力が求められる. 本研究はこのような現状認識を踏まえて, 二つの目的をもっていた. その第一は, 中世, 特に八世紀以降のインド思想史研究の空白乃至は不足をできる限り埋めること. 第2は, 研究者の学際的協力を促進し, それによって可能な限り正しいインド中世宗教思想史の実像に迫ることである. 本年度の研究活動は以下の通りであった. 各研究分担者は二年に亘るそれぞれの研究をとりまとめ, 研究成果の一部を, 雑誌, 記念論集等において発表した. またこれらの成果の一端は, 二回の研究懇談会の席上で発表され, 活発な討論を通じて, 研究分担者相互の理解を深めた. 7月11日には, 分担者山崎元一が「バラモンの生活--理想と現実」と題して, また11月21日には, 分担者服部正明が「仏教論理学の発展」と題する発表を行った. 本研究の報告書は, これらの研究成果の一部として, 宇野惇, 原実, 山崎元一, 松本照敬, 上村勝彦, 土田龍太郎の六分担者の成果を収めたのであるが, 出版経費の制約等により, すべての研究成果を収録することは適わなかった. しかし近い将来において, 先の『東洋における人間観』の場合のように, すべての研究成果を纏めて出版することで, 研究分担者の合意を得ている.
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