研究分担者 |
永井 聖二 群馬大学, 教育学部, 助教授 (00133025)
鎌原 雅彦 東京大学, 教育学部, 助手 (90169805)
本田 和子 お茶の水女子大学, 家政学部, 教授 (80017235)
住田 正樹 九州大学, 教育学部, 助教授 (20036081)
森 楙 (森 しげる) 広島大学, 教育学部, 教授 (00033556)
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研究概要 |
二年間にわたる継続研究としての本研究は, その重要性にも拘らず従来実証的手法によって明確化されることがなかった幼児の「近所遊び」について, 全国的規模の質問紙調査にもとづいてはじめてその実態を定量的に明らかにするとともに, 都市化, 少子化, 地域社会の変容といった現代の社会変動の影響を解明し, さらにコンピテンス, 社会成熟度等との関連からその発達的意味を明らかにした点で充分な成果を得た. 1回収標本にもとづくデータに多変量解析をほどこすことにより, 幼児の近所遊びの規定要因についてその規定力の現状を明らかにした. とくに都市化, 少子化, 情報化といった近年の社会変動や, 就労する母親の増加という要因が, 幼児の近所遊びの実態にいかなる影響を与えているのかを解明した. 2幼児期における母親と子どもの相互作用の重要性にかんがみて, 母親の生活や幼児に対する態度が幼児の近所遊びにどのような影響を与えているのかについて, 調査データにもとづき定量的に分析を加えた. 3近所遊びの発達的意味を明らかにするため, 幼児の近所遊びがコンピテンスとどう関連するのか, 社会的成熟度とはどうかかわるのかについて定量的に解明した. 4以上の定量的分析とは別に, 近所遊びの形成過程についてケース・スタディにもとづき解明した. また, 幼児の遊び能力と近所遊びの関連についても併せて考究した. これらの成果は, 従来その重要性にも拘らず未開拓であった幼児期の遊びの実態, 規定因, 発達的意味を明らかにし, 今後の仮説検証的な研究の基礎となる知見を提供するものと考えられる.
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