研究分担者 |
小山 晧一郎 (小山 皓一郎) 北海道大学, 文学部, 助教授 (00002163)
縄田 鉄男 熊本大学, 文学部, 教授 (50032438)
岡崎 正孝 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (90030163)
黒柳 恒男 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (20014409)
本田 實信 名古屋商科大学, 商学部, 教授 (50000526)
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研究概要 |
1979年のイランにおけるイスラム革命の勃発と共に我が国ではイランについての関心が急速に高まり, 東洋文庫をはじめとする図書館, 研究所, 大学等に大量のペルシア語文献が蒐集され, さらに, 世界最初のペルシア語文献ユニオンカタログ(所在総目録)が編纂, 出版されるに及び, ペルシア語原典資料からの研究が可能となった. イランを中心に, 小アジア・中央アジア・西北インド・中国等・世界各地に成立, 展開したペルシア語文化圏それぞれの共通点・相違点を明確にし, イスラム文化におけるペルシア文化の特質を解明していこうとする本研究もこうした一連の流れの中で企画され, 実現したものであった. ペルシア語文化圏の「成立班」, 「展開班」はそれぞれ小グループに分れ, 各自の専門分野の代表的なペルシア語文献である『集史』, 『五族譜』, 『高貴系譜』, 『学習の基礎』, 『旋律の意図』等の中から, 基本的重要事項と術語とを抜き出して整理し, これらの比較, 検討を重ねた. 可能なかぎり, 本源資料である写本資料にまで溯って作業を進めたが, 作業の過程で, あるいは研究成果の比較・検討の過程で, ペルシア語刊本と写本との字句の相違が当初の予想をはるかに上回る極めて著しいものであることが確認され, ペルシア語文化圏の諸地域を考察するにあたっては, ペルシア語写本資料の精査が不可欠であること, 及び写本資料による研究体制確立が急務であることが痛感された. 本研究においては, ペルシア語文化圏の貴重な成果を端的に示している『五族譜』その他諸写本の校訂を行い, これら写本資料を利用した多くの研究成果を挙げてきたが, 本研究により, 我が国におけるペルシア語写本資料による組織的研究の第一歩を踏み出すと共に, ペルシア語文化圏の諸問題解明についての第一歩を大きく踏み出すことができたと自負している.
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