研究分担者 |
油井 大三郎 一橋大学, 社会学部, 教授 (50062021)
上杉 忍 静岡大学, 人文学部, 助教授 (90111799)
有賀 夏紀 埼玉大学, 文学部, 教授 (20114358)
有賀 貞 一橋大学, 法学部, 教授 (80054302)
秋元 英一 千葉大学, 経済学部, 助教授 (00064113)
大塚 秀之 神戸市外国語大学, 外国学研究所, 教授 (20073356)
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研究概要 |
本年度においては, 昨年度と同様に, まず, 1960年代のアメリカ合衆国における主要な社会運動団体の内部文書・出版物の保存状況を調査し, マイクロフィルムにより購入可能なものを, 予算の許す範囲で, 収集することにした. その結果, 人種平等会議(CORE)とアメリカ市民的自由同盟(ACLU)の内部資料をマイクロフィルムの形で収集することができた. これにより, 昨年度に収集した民主社会をめざす学生運動(SDS)や学生非暴力調整委員会(SNCC)関係のマイクロフィルム資料を加えると, 1960年代の主要な社会運動団体の基礎資料がそろったことになり, 今後, 1960年代の社会運動研究を進める上で, 貴重な資料的基礎が築かれたと言える. 第二に, 1960年代の米国社会運動に関しては, 近年, 多くの研究書が出版され始めているが, それらの所在目録(一橋大学図書館・東京大学アメリカ研究資料センター・同志社大学アメリカ研究所の蔵書調査に基づく)を作成したことも今後の研究に資する所大であろう. 第三に, 収集資料の内容的検討については, 時間的制約から不十分に終ったが, それでも, 1960年代の米国社会運動がもっていた文化・思想運動的側面の一端が解明されたことは貴重であった. 従来, これらの諸運動は, 公民権やベトナム反戦等の具体的目標をかかげた政治運動の側面が重視されてきたが, それだけでなく, 人種平等教育の推進とか, インダストリアリズムに代れる「対抗文化」の対置などを通じて新しいアメリカ文化の創造をめざす運動であったことがより一層明確になった. 今後, 今回収集した資料の実証分析を通じて, 1960年代の「文化革命」的側面の解明が進むことが期待される.
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