研究分担者 |
藤村 博之 京都大学, 経済研究所, 助手 (30173462)
脇坂 明 岡山大学, 経済学部, 助教授 (90158600)
猪木 武徳 大阪大学, 経済学部, 教授 (00107111)
橘木 俊詔 京都大学, 経済研究所, 教授 (70112000)
三原 泰煕 長崎大学, 経済学部, 教授 (20039457)
村松 久良光 南山大学, 経済学部, 助教授 (70022473)
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研究概要 |
1.わが国企業の教育訓練制度の特徴を明らかにするため, 対象国を広くとり(東南アジア, ヨーロッパ, オーストラリア), 対象分野も広げて調査をおこなった. 研究成果報告書として提出するのは, 東南アジアと日本の比較部分のみである. 他の分野での成果は, 将来, 雑誌論文や図書の形で刊行される予定である. 2.成果報告書の内容は, 東南アジアの地元企業と日本企業の技能形成方式の異同を, 職場でのききとり調査をもとに明らかにしたことである. 技術のタイプを量産型, 非量産型, 装置産業, 第3次産業の4つに分け, 合計産業18企業での調査結果をもとに技能形成方式を比べた. その結果は, 次のように要約される. (1)タイもマレーシアも通説に反して, 技能形成の中心は職場での実地方式(OJT)にある. この点は, 日本とまったく同じである. (2)しかし, 技能の幅や深さといった点では, 日本の方がはるかに進んでいる. どの範囲の仕事までこなせるかという技能のよこの広がりは, 日本が最も広く, タイ, マレーシアはまだまだ狭い. 異常や変化にどれだけ現場労働者が対処しているかという深さの面でも, 日本が最もすすんでいる. タイとマレーシアのちがいは, タイのすべての企業で職長が下から昇進しているのに対して, マレーシアの一部企業で高学歴者が直接, 職長として入ってくる状況がみられることである. (3)しかし, タイ, マレーシアともに, 労働者の技能の幅・深さが日本に近づいていくようなメカニズムをもっている. ただ, まだその効果が十分認識されていない点がある. 対外経済協力としてわが国が取り組むべきは, そういった点を強化していくことである.
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