研究分担者 |
平山 健二郎 関西大学, 商学部, 助教授 (70165207)
工藤 和久 筑波大学, 社会科学系, 助教授 (00083329)
秋山 太郎 横浜国立大学, 経済学部, 助教授 (40167854)
加納 悟 横浜国立大学, 経済学部, 助教授 (50114971)
山本 拓 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (50104716)
深尾 京司 一橋大学, 経済研究所, 専任講師 (30173305)
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研究概要 |
本プロジェクトのメンバーは, 2年間を通じて定期的に研究会を開き, 一方では各人の研究成果の交換と問題の討議を重ね, 他方では協力してマクロ計量モデルの開発に努めた. たまたま, 貿易黒字の拡大, 為替レートの乱高下, そして内需主導による経済成長の達成などは, 研究期間中にまさにホットな話題でもあったことから, 研究会は毎回議論が百出するほど盛況なものとなった. マクロ計量モデルの開発については, まず中型のコアモデルを構築し, 分析目的によってブロック別に必要な内生変数を追加するという基本方針を採用した. こうした試みはいままでにない新しい であるが, われわれの計測結果から判断すると, パフォーマンスは大型マクロ計量モデルと比しても遜色がなく, むしろそのコンパクト性は経済変数の相互関係を捉えるに際して非常に有用であったといえる. また, モデルがコンパクトであるために, 経済理論・計量経済学的に望ましい定式化や推定法も大きなコストなしに試みることができ, 今後の改良に際しても期待される面が大であると考えられる. 共通テーマのもとでの個別の研究面では, 特に貿易・国際金融あるいは資産価格の変動に興味が集中し, 日米の経常収支不均衡の問題, 大量の資本移動がもたらす内外経済への効果, 為替レート乱高下における期待形成の役割などについて, 理論的・実証的考察が加えられた. これらの成果の一部については, マクロ計量モデルの構築の際に考慮されたものもあるが, 未だ応用という意味では完全に消化されずに残ってしまったものも多い. 為替レート変動における投機的バブルの検証, 時系列的手法と伝統的マクロ計量モデル分析との併用などがその例であるが, これらについては研究会メンバーが折にふれて今後とも討議を重ねて行くことを確認した.
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