研究分担者 |
関口 秀子 神戸大学, 経済経営研究所, 助手 (70031391)
民野 庄造 神戸大学, 経済経営研究所, 講師 (30031389)
河野 正男 横浜国立大学, 経営学部, 教授 (50049607)
中村 宣一朗 (中村 宣一郎) 大阪大学, 経済学部, 教授 (10068083)
合崎 堅二 国学院大学, 経済学部, 教授 (40054944)
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研究概要 |
本研究は, 経済会計の多様な発展が, ミクロ企業の経営業績や地域の分析に適用され得ることに着目して組織せられた. 研究を遂行する上で, 組織を1.経済会計の枠組の検討と2.枠組を利用した各個研究に大別し, 以下の成果を得た. 1.経済会計の枠組研究:企業会計に対する適用を最も配慮した経済会計システムは, プラン・コンタブルである. しかし, 所得と資本の分離, 付加価値, 実質資本維持, 実質利益, 資本利得外部性という経済会計の概念は企業会計に適用できる. またそれは, 地域の自然資源と社会資本の産出するサービス及びその単価の帰属計算に適用でき, さらに地域の土地の資本利得計算に適用できることが, 確認せられた. 2.各個研究として, (1)フランスの余剰計算書を拡張し企業の経営分析にあてる小関の研究が昭和62年会計研究学会で報告され, また支払われた社会原価と社会貸借対照表の西独企業の事例が上田により研究せらさた. (2)小口は, 合崎, 原田らの地域生態会計グループによる関東圏利水調査結果を整理し, 河川のダムの建設, 資本維持, 原水単価の計算に対する経済会計の適用を「水の会計学」として発表した. (3)河野は地方下水道事業を調査し, 下水道事業の会計を検討して経済会計の基準による下水道事業業績の測定と設備資産価値の表示方式を提言した. (4)首都圏と大阪圏の土地の資本利得の推計が, 能勢と関口によってなされ, 能勢は昭和62年の国際所得国富学会で報告した. (5)各国主要企業財務データの登録と経済会計データバンク作りが進められ, シソーラス作成, データ解説, 機械言語の開発が, 民野と関口によってなされた. 以上の研究は, 経済会計の適用分野を公企業会計を含めた企業会計, 地域経済計算に拡大するもので, 研究成果のうち刊行分をまとめた論文集が刊行せられた. 現在進行中である各個研究についても完成時点で論文集を別途作成する構想をもっている.
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