研究概要 |
本研究は, 大学英語教育のさまざまな実態と将来像のアンケートによる分析(教員の立場, 学生の立場)につづく中学校・高等学校の英語教育の実態と将来像の分析である. それに加えて, 早期教育と海外子女教育の経験者にそれぞれの問題意識を問うている. 中・高教員には, 項目70につき, 各約2700名と3100名に問いあわせをし, 回収率34.4%, 45.6%を得ている. 早期英語教育は, 項目36, 480名中21.7%からの回答を得た. 海外子女教育については項目33, 1100名中50.8%の回答を得た. 回答内容は, 中・高英語教員に対しては, 授業, 教材, 教育メディア, 生徒, 大学入試, 研修, 外国人英語教員, 全般と展望である. 早期教育については, 授業, 効果と指導法, 教材と教育メディア, 周囲の反応, 開始時期, 教員資格, 海外子女教育経験者には, 現地の教育, 日本人の国際理解教育, 海外派遣前と帰国後の英語教育観の変化などについて回答を求めた. 最後に全体像と提言を行って, 英文要約を付している. 全体像として, 英語教育の現状がよくないこと, 問題点が多種多様である. 中学では授業時間不足が最大の問題, 高校はクラスサイズ, 意欲の不足, 入試改善の要, 英語教育の改善進まず, 授業改善進行中, 目標はコミュニケーション能力の改善と文化・事情の理解に中心があった. 希望としては, 中学の英語力につけ, 圧倒的に中学では4時間, 英語必修論, 海外研修, 外国人の導入, 教員の英語運用力の育成などになる. 早期英語教育については音声面の効果, 学習開始年齢と早期教育の必要性, 海外子女教育については, 日本の英語教育の現状に不本意である旨が述べられている. 提言は, 中学の英語授業の増加を, クラスサイズの縮小, 教員研修制度の充実, 外国人英語教員の導入を, 学習指導要領の改善の方向, 必要科目, 入試改善, 早期英語教育の推進, 国際理解教育の振興が述べられている.
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