研究分担者 |
伊藤 正 東北大学, 理学部, 助教授 (60004503)
近藤 泰洋 東北大学, 工学部, 助教授 (20013534)
国府田 隆夫 東京大学, 工学部, 教授 (50010715)
潮田 資勝 (潮田 賢勝) 東北大学, 通信研究所, 教授 (90176652)
仁科 雄一郎 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (90005851)
新井 敏弘 筑波大学, 物理工学系, 教授 (10015745)
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研究概要 |
1.固体内部の電子励起状態の物性に関しては, 今までかなりの知見が得られていた. しかし固体の表面や界面については近年基礎物性・応用物性の両面から研究の重要性が指摘されつつも, 励起電子の基本的物性すら十分解明されていなかった. そこで, この方面の第一線の研究者による研究班を組織し, 各分担テーマに基づいた研究と, それらの有機的結び付きによってこの方面の研究の基礎を築く事が本研究の目的であり, 以下に示す成果によって初期の目的は達せられ, 更に今後の研究の方向付けや指針が得られた. 2.各研究者は主として次の項目について多大の成果を上げた. (1)半導体の表面励起子と励起子ポラリトン及び金属表面のプラズモンの性質と表面現象との関連について, (2)半導体又は金属と吸着色素界面における電荷移動と光増感現象, 表面増強ラマン散乱の関係について, (3)超薄膜の励起電子状態とその緩和過程について, (4)半導体超微粒子中の励起子の量子サイズ効果と表面効果及び励起子の緩和過程と粒子サイズや界面との関係について, 各々理論及び実験の両面から新しい知見が数多く得られた. 3.研究経過については, 昭和61年9月に発表討論し, 研究方針を定めて各テーマについて研究を発表させた. これらの研究成果については, 昭和63年1月に研究者全員及びその他の第一線級の研究者総勢37名の参加の下に開かれた研究発表会で報告された. 活発な質疑討論の結果, 研究者相互の理解が深められると共に, 各テーマの研究の進展にも大きな寄与があった. 同時に解決すべき問題点が明らかとなり, 今後の研究の方向付けや指針についても多くの共通認識が得られた. 4.以上を総合して, 本課題研究の飛躍的な発展の為には, より多くの研究者の参加の下に, 多彩な研究手段を用いた種々の光物性研究を有機的に結びつける努力が緊密に必要である.
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