研究課題/領域番号 |
61302020
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
望月 和子 大阪大学目, 基礎工学部, 教授 (90029413)
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研究分担者 |
柳瀬 章 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (60004280)
小谷 章雄 東北大学, 理学部, 教授 (90029504)
斯波 弘行 東京大学, 物性研究所, 教授 (30028196)
立木 昌 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20028111)
守谷 亨 東京大学, 物性研究所, 教授 (00013467)
長谷川 彰 新潟大学, 教養部, 教授 (40004329)
金森 順次郎 大阪大学, 理学部, 教授 (10028079)
糟谷 忠雄 東北大学, 理学部, 教授 (30004245)
浅野 攝郎 東京大学, 教養学部, 助教授 (80013499)
芳田 奎 東京理科大学, 理工学部, 教授 (40013445)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
1988年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1987年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1986年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 電子帯構造 / スピンのゆらぎ / 構造相転移 / 重いフェルミ粒子 / 超伝導 / 遷移金属化合物 / 稀土類化合物 / アクナイド化合物 / アクチナイド化合物 / 遷移金属化金物 |
研究概要 |
1.遷移金属、稀土類、アクチナイド元素を含む典型的な物質の電子状態の解明を目的として、APW法、KKR法による非磁性及び磁性状態のバンド計算を行った。3d電子系としては、NiAs型、ペロブスカイト型、ラーベス相の各化合物、1T型層状及び層間化合物の電子状態を明らかにした。その結果をもとにしてスピンのゆらぎを取り入れて磁性を論じ、結晶の全エネルギーを求めて結晶構造および磁気構造の安定性を調べた。4f、5d電子を含むUおよびCe化合物に対しては、スピン軌道相互作用を取り入れたバンド計算が進展した。Cuを含む酸化物超伝導体のバンドを計算し、銅のdレベルと酵素のpレベルのエネルギー差が小さくp-d混成が強いことを見出し、超伝導機構解明のための基礎を築いた。 2.遍歴電子系の有限温度の磁性はスピンのゆらぎの性質によって支配される。守谷による弱い強磁性および反強磁性金属に対するスピンのゆらぎの理論をCrB_2やYMn_2などの種々の物質に適用し実験結果を定量的にも説明できることを示した。電子相関の強い場合を扱う統一理論をMnAs等に適用して成功をおさめ、さらに、Ni表面の問題にも適用し、表面、界面の磁化を論じた。 3.重い電子系に属する稀土類、アクチナイド化合物および酸化物高温超伝導体では強い電子相関の役割が極めて重要で、本研究班でもこの問題に取り組んだ。Ce化合物を対象として周期的アンダーソンモデルに基づきスピン軌道相互作用と結晶場を考慮した理論、LaやCeを含む化合物の内殻励起光電子スペクトルを不純物アンダーソン模型に基づいて系統的に解析する理論が進展した。超伝導機構の解明をめざして、p-d混成模型に基づき電荷のゆらぎと格子振動を媒介にして電子間に引力が働くことを示した研究、CuO_2面内の銅のスピンと酸素にドープされた正孔を含むクラスターの基底状態を求めて正孔間に引力が生じる傾向を見出だした研究、RVB状態の考察などが進展した。
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