研究分担者 |
常安 暢 福岡大, 工学部, 教授 (90078634)
原田 達哉 佐賀大, 理工学部, 教授 (10183568)
林 宗明 京大, 工学部, 教授 (20025828)
河野 照哉 東大, 工学部, 教授 (30010705)
河村 達雄 東大, 生研, 教授 (20013097)
金子 正光 九州大学, 工学部, 助手 (30136519)
原 雅則 九州大学, 工学部, 教授 (30039127)
堀井 憲爾 名古屋大学, 工学部, 教授 (70023223)
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研究概要 |
大気中長ギャップ放電の特異なV-t特性や放電路の著しい弯曲は, 空間電荷による電界の歪みに起因している. この空間電荷効果の定量的解析が著しく困難であるために, 実際の絶縁設計に当たっては, その都度実規模の実験が必要である. 本研究は, これらの問題を解決する目的で, 空間電荷効果のモデル化と計算機シミュレーションを行って以下の成果を得た. 1.空間電荷歪みを伴う場での電離進展のシュミレーションと電界計算を可能とし, 短いギャップの実験結果の説明に成功した. しかし, 長ギャップにおける, 時間的・空間的に変化する電界の計算とこれによるリーダの進展成長を予測する方法の開発には至っていない. 2.空間電荷の量と分布は, これらを直接測定することは極めて困難で, 空間の任意の点の電界の測定値から計算によって求める方法がとられている. 本研究によって, 任意の点の電界をポッケルス素子を用いる電気光学的方法が開発された. この方法は従来のプローブ法に比べて, 優れた時間・空間分解能を有し, 現在各方面で実用に供されている. 3.長ギャップ放電の研究は最近の20年間に格段の進歩を遂げた. 本研究では, これら内外の研究を調査して, 研究者間で不統一であった用語の統一と, データベースの整備を行った. これらの成果は, この分野における研究の国際協力に貢献するものと確信している. 4.実験質スケール(ギャップ長 数m〜30m)の放電と雷放電(>100m)の中間領域にある超長大ギャップ(50m〜100m)の放電の実験が不可欠である. これらの研究は送電線の雷防護の観点からも是非とも実現したいものである.
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