研究分担者 |
岡村 与一郎 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (80081397)
広渡 智雪 広島大学, 工学部, 教授 (10144875)
橋本 聖史 大阪大学, 工学部, 助手 (50183554)
船木 俊彦 大阪大学, 工学部, 助教授 (90029174)
冨田 康光 大阪大学, 工学部, 助教授 (30029251)
八木 順吉 大阪大学, 工学部, 教授 (80028943)
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研究概要 |
本研究は標記の研究課題について基礎的研究を行ったものである. まず, 振動関係の研究では, 梁の曲げ振動を対象として模型実験とそれに対する理論的考察を行った. 中実矩形断面梁の振動実験により得られる鋼材単独の対数減衰率をδはかなり小さい値を示し, 船体その他の鋼構造物において経験的に知られている対数減衰率の値(平均値で示してδ=0.05)に比べて1〜2桁小さい値となっている. このことは, 船体構造では継手等の構造部分のまさつに起因する構造減衰を考える必要があることを示しているが, なおそのほかに船体構造の局部振動が関係するものと考え, これを確かめるために鋼製中実矩形断面梁にばねとおもりよりなる1自由度のばね・質量系を取付け, これを局部振動体とみなして梁の振動実験を行った. その結果, 局部振動体の数が多く, 梁に対する局部振動体の質量比が大きいほど, また局部振動体自身の減衰が大きいほど梁全体の対数減衰率が大きくなることがわかった. 次に, 疲労関係の研究では, 船体が波浪荷重としてワイブル分布するランダム荷重を受けることに注目し, 応力振幅の密度分布が指数分布する場合につき, 軟鋼材のランダム荷重疲労試験を行って疲労限を求めた. その結果, 疲労限は部材の応力集中率が多くなるほど低下し, 応力集中率が7〜8程度になると公称応力で示して4〜5kg/mm^2まで低下し, かつこの応力下でき裂が伝播する現象があることがわかった. このことは船体の振動応力が問題となる可能性を示している. また, 実際に船尾構造に損傷が生じたRO-RO船を対象として調査した結果, プロペラサーフェースフォースの翼振動数成分の起振力にアフトピークタンクが共振して生じた損傷であることがわかった. なお, この共振は元の肋骨の重量の30%の重量の補強材を付加することによって回避できることがわかった.
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