研究分担者 |
山崎 淳 東京都立大学, 工学部, 助教授 (80111475)
米山 絋一 新潟大学, 工学部, 教授 (10016470)
川瀬 清孝 新潟大学, 工学部, 教授 (20169725)
米倉 亜州夫 広島大学, 工学部, 助教授 (00034372)
田沢 栄一 広島大学, 工学部, 教授 (60155067)
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研究概要 |
本研究は, マスコンクリートの温度ひびわれ制御を目的としたものである. 以下に, 本研究の成果を示す. (1)各種混和材料(高炉スラグ微粉末およびフライアッシュ)をもちいて, コクリートの断熱温度上昇量の抑制効果をはかった. その結果, フライアッシュはその混和率に比例して温度上昇量を低減することができる. 高炉スラグは混和率が50%以上でないと抑制できないことがわかった. (2)水和熱から断熱温度上昇量を予測するため, 水和熱試験から求めた水和熱速度を養生温度をパラメーターとした式で表し, これより断熱状態における水和熱を求め, さらに断熱温度上昇量を算定した結果, 本方法により, 断熱温度上昇量の予測が可能であることがわかった. (3)温度応力の発生機構を解明するため, 圧縮応力履歴を受ける若材令時のコンクリートの引張クリープ特性について実験的に検討した. その結果, 圧縮応力履歴を受けると, 受けない場合よりも引張クリープは大きくなる. また, 引張クリープの一部はAE(アコースティックエミッション)測定の結果から, 微細ひびわれの発生による変形であることが明らかにされた. (4)温度ひびわれ幅の予測方法を確立するため, 乾燥収縮を考慮した早期材令時のRC部材の付着性状について解析的に検討した. その結果, 解析値は実験値の性状をよくとらえることができ, 実際の付着性状を定量化することができた. (5)温度ひびわれの進展を予測するため, コンクリート中に配置されている鉄筋の影響を考慮した有限要素法を用いて解析した結果, 温度ひびわれ先端付近の変形, 応力を定量的にとらえることができ, ひびわれの進展の予測へほぼ可能となった.
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