研究分担者 |
宮川 豊章 京都大学, 工学部, 助手 (80093318)
松下 博道 (松下 博通) 九州共立大学, 工学部, 教授 (10038036)
小林 和夫 京都大学, 工学部, 助教授 (10021586)
井上 正一 鳥取大学, 工学部, 助教授 (10032286)
矢村 潔 鳥取大学, 工学部, 助教授 (30026257)
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研究概要 |
近年, コンクリート構造物には種々の原因によって著しいひびわれ損傷を招いている事例が多く見られ, 構造物の維持管理上極めて重大な問題となっている. ことに, わが国には皆無に近いと考えられていたアルカリ骨材反応に起因したコンクリートのひびわれ損傷は, その認識と経験の不足とも相まって, 重大な社会問題の様相を呈するようになった. 本研究は, アルカリ骨材反応のメカニズムおよび骨材の反応性やコンクリートの膨脹量の測定, 評価試験法の確立, 反応の進行とコンクリート構造部材の保有耐荷力との関係, 反応によってひびわれ損傷が生じた構造部材の終局状態における静的, 動的挙動と変形性状や耐久性などの使用状態における構造性能との両面からひびわれ損傷と健全度との関係を明確にする. さらに損傷構造部材の合理的な補修, 補強方法を確立する. これら得られた結果をもとにして, コンクリート構造物の設計, 施工, 維持管理, 補修, 補強技術のシステム化を図ることを目的としている. アルカリ骨材反応のメカニズムの解明においては, 基本的な反応機構の把握を図るとともに, 高炉スラグの反応抑制機構と効果について検討を加えた. アルカリ骨材反応の試験法とその評価においては, 高圧高温による促進試験と乾湿の繰返し試験を試み, モルタルバー法や化学法で得られた結果との関連性, 膨脹とひびわれあるいは物性の変化との関係をもとにして, 反応の評価法を提案した. モデル鉄筋コンクリート部材を製作し, 鉄筋量やかぶりとアルカリ骨材反応による膨脹応力やひびわれ形式との関係を明らかにするとともに, 静的ならびに動的繰返し載荷試験を実施し, 結果の解析をもとにして, ひびわれ損傷構造部材の保有耐力, 健全度の評価方法について種々の検討を行った.
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