研究分担者 |
江藤 剛治 近畿大学, 理工学部, 教授 (20088412)
小尻 利治 岐阜大学, 工学部, 助教授 (00026353)
神田 徹 神戸大学, 工学部, 教授 (30029144)
虫明 功臣 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50011060)
竹内 邦良 山梨大学, 工学部, 教授 (50016672)
岡田 憲夫 鳥取大学, 工学部, 教授 (00026296)
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研究概要 |
関東・近畿の大河川の利用率はすでに50%程度に達し, 水利用の水準が通常予想されている限界に近づくとともに, 域内での水利用の形態はますます高度化している. 同様の傾向は, 下流に大都市を持つ多くの河川で顕在化している. 水利用の水準・形態が高度化すると, 渇水頻度は同一でも, 一旦生起したときの社会的影響はより広く, かつ深刻化する. これまでいくつかの研究グループが, それぞれ異なる視点からこの問題にアプローチしてきた. 本研究では現時点までに得られたこれらの知見と渇水の実態分析を総合し, 利水安全度概念の明確化, その定量化の方向について検討するとともに, 関連する諸問題を整理して研究対象全体の概観, 枠組を明示した. 本研究の最大の成果は研究成果報告書そのものである. 極言すれば次の目次を示しえたことである. これにより, 全体としての研究の枠組が明らかになり, 各グループの研究成果の全体中での位置・意義が明確となった. また今後早急に解決すべき諸点が浮かび上がってきた. 具体的には次のような作業を行った. (1)本研究課題についての内外の研究成果を収集した. これらをデータ・ファイル化することを試みた. (2)関連分献のクリティカル・レビューと問題点の抽出・整理を行った. (3)具体的な問題点について個々に分析を行った. 池淵・岡田は, 渇水の実態を階層構造として分析・整理し, 各階層での渇水の危険事象, 対応行動, 結果の評価などの項目を, その因果の連鎖とともにマトリックスで表現した. 虫明・竹内・神田は渇水流況を, 地質特性, 時系列特性(主として降雨のランダム性による), 渇水への対応という視点から整理した. 小尻は水利用システムのマトリックス表示と, それに基づく利水安全度計量の手法を開発した.
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