研究分担者 |
森地 茂 東京工業大学, 工学部, 教授 (40016473)
松井 寛 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (20024242)
樗木 武 九州大学, 工学部, 教授 (20039663)
河上 省吾 名古屋大学, 工学部, 教授 (60023058)
飯田 恭敬 京都大学, 工学部, 教授 (10026114)
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研究概要 |
本研究では, 交通ネットワーク理論の精緻化およびネットワーク理論を実際の計画策定プロセスに応用していく上で生じる諸問題の抽出を通し, 交通ネットワーク分析手法を交通計画という総合的視点から整理・統合した. 以下に本研究で得られた成果を概要する. (1)ネットワークフローの記述(分析・予測):ネットワークフローの記述モデルは, OD需要固定型モデルと変動型モデルに大別できる. 前者については, ノードやリンクにおける遅れを取り扱う改良モデルを提案するとともに, 予測精度を向上させるための手法を検討した. また, リンク観測交通量から交通需要予測の方法を示した. 後者については, 従来とは異なる理論を基礎とした同時予測モデルの提案, あるいは交通均衡の計算手法の提案を行い, 新しい応用の方向を示した. これらの手法はすでに実用に供するレベルに達しており, 従来の方法とは異なるネットワーク需要推計法が確立できた. (2)最適ネットワークデザイン(代替案作成):ある規準に従った最適ネットワークをデザインする問題を数理計画的に扱う手法について, 需要変動を前提にした手法を提案した. また, ネットワーク容量を算定する手法等が検討された. ネットワークデザイン問題については, 分析手法的にはすでに実用レベルに達しているが, 何をもって最適とするかという「規準」についてどう考えるかが今後の実務レベルへの応用に際しての議論の対象となろう. (3)ネットワーク評価:ネットワーク整備水準に関する研究については, まだ研究途上にあるといえ, 今後の大きな課題である. 本研究では, 今後の研究の方向性を与える基礎研究を行った. (4)ネットワーク問題とその関連分野:土地利用, ナビゲーションシステム, ネットワークの信頼性解析等の関連分野について研究を行い, その重要性が認識された.
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