研究分担者 |
屋井 鉄雄 東京工業大学, 工学部, 助手 (10182289)
山本 幸司 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (00026337)
小林 潔司 鳥取大学, 工学部, 助教授 (50115846)
木俣 昇 金沢大学, 工学部, 助教授 (30026166)
春名 攻 京都大学, 工学部, 助教授 (40026183)
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研究概要 |
交通計画の作成にあたり, 価値感の多様化, 行動や意識の複雑化がいかなる影響を持つかという問題の解明には, 個人の行動に着目した交通行動モデルが有用であり, 新しいタイプの行動モデルの開発実用化が望まれている. 本研究では, 従来開発されてきた多くのモデルを統一的に評価して体系的に整理し, 必要データ・推定方法にも着目して各モデルの実用性を検討した. 1.交通行動モデルの体系的整理(昭和61年度) (1)交通計画の分野ばかりでなく経済学・心理学・行動科学なども対象に, 行動規範や行動・現象を表現するモデルを網羅し, 理論面から体系的に整理した. 特に, 個人の行動規範の表現に有効な非集計モデルと, 個人間の相互作用が表現可能なエントロピーモデルについては詳細な整理を行った. (2)交通計画の様々な対象ごとに要求される情報を総合的に整理した. 特に新たな種類の問題として, リクレーション交通と都心部の業務交通をとりあげ, 要求される計画情報とモデルが具備すべき条件を考察した. 2.交通行動モデルの実用化に関する研究(昭和62年度) (3)モデルの比較を行うために, 交通・都市に関するデータの整理を行った. このデータを用いてパラメータ推定を行った結果, 推定方法によりかなりの差異が生じ, それはモデル間の差異と比較しても無視できないことがわかり, 推定方法に関する研究の重要性が明らかとなった. (4)モデルの実用化の状況を整理し, その問題点を調査論の中で整理した. (5)以上の内容を受けて, 今後の開発方向を模索し, 本研究を統括した. 理論的な研究と実用的な研究を併行的に進めていくべき段階にあり, 前者では個人間の相互作用などのマクロ変数を取り入れたモデルの開発が重要であり, 後者では交通の種類に合わせて調査法とリンクした推定方法を開発することが必要であると考える.
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