研究分担者 |
山崎 寿一 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (20191265)
戸田 敏行 (社)東三河地域研究センター, 研究員
小場瀬 令二 筑波大学, 第三学群, 助教授 (80144202)
高須 健至 愛知大学, 法経学部, 助教授
久野 重明 愛知大学, 法経学部, 教授 (20064727)
TODA TOSHIYUKI (The Higasi-Mikawa Regional Development Reseach Center. Chief Engineer)
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研究概要 |
総合用水である豊川用水の開発整備は, わが国の水資源開発の代表事例である. 通水後20年を経過した豊川用水が地域に及ぼした影響を今日の段階で歴史的評価することが, 利水条件整備と地域開発のあり方を展望する場合, 極めて重要な研究課題であると考えられる. 今回の研究で得られた成果の概要は, 以下のように整理できる. 1.豊川用水は通水によって, 受益地域の農業生産が飛躍的に増大したこと. 2.豊川用水の通水は, 農業面のみならず, 地域の土地利用や地域社会に対しても多大な影響を及ぼしたこと. 3.利水条件との関連で工業立地や農業経営(土地利用)の方向が規定されていること. 4.農業における機械化の進展と利水条件の向上は, 農業生産の合理化を促進し, 都市近郊の水田地帯における兼業化, 施設園芸地域で専業化を促進させたこと. 5.豊川用水の利用パターンは, 土地利用形態・農業形態によって一定の法則性があること. また, 今回の研究を通じて, 土地利用形態に対応した地域内における水の需要モデルを策定すること, 水の需給(利用)計画と土地利用計画を結び付けた総合的な地域水需給システムを構築することの必要性と実現の可能性が明確となった. このことは, 従来個別の計画として策定されてきた水利用計画と土地利用計画を統合する新たな地域計画のフレームの提示に結び付くものと考えられる.
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