研究分担者 |
金子 勝比古 熊本大学, 工学部, 助教授 (20128268)
大見 美智人 熊本大学, 工学部, 教授 (30040405)
佐野 修 山口大学, 工学部, 助教授 (20127765)
水田 義明 山口大学, 工学部, 教授 (20107733)
斎藤 敏明 京都大学, 工学部, 講師 (90056151)
|
研究概要 |
天然の岩盤内には種々の不連続面が存在しており, 岩盤構造物の変形・破壊挙動に大きな影響を与えている. これらの不連続面の力学特性を定量的に評価する方法を研究した. 不連続性岩盤内の応力や変形挙動を正確に解析することを目標として, 岩石の力学的性質や解析手法に業績のある京都大学のグループ, 微小破壊き裂の発生機構に造詣の深い山口大学のグループ, および岩盤内のき裂の性状や分布の定量化に造詣の深い熊本大学のグループの相互協力によって, 2年間にわたって研究を推進してきた. まず, 岩石破面の表面形状を不規則波形として捉えるために, 触針式サーフェイス・プロファイラによって得られた波形のパワースペクトル密度分布を考察し, これと密接な関係のあるフラクタル次元が表面形状を定量化する指標となりうることを見出した. さらに種々の載荷試験によって得られた岩石破面のフラクタル次元と強度特性との調査によって, 不連続面の表面形状からその力学特性を決定するための有力な指針を得た. 一方, ダブルトーション試験によって生じた岩石破面についてもフラクタル次元を求めてき裂伝播速度との関係を調べた. 同時に得られたき裂伝播速度の異方性について考察し, これらが原子間結合エネルギあるいは先在クラックの分布の異方性によること, さらにこれらが応力下の変形・破壊挙動にも異方性をもたらすことを推測した. また, スキャンライン法によって岩盤不連続面分布特性を評価する試みを実鉱山で実施し, 岩盤不連続面の一般化した評価式を導出した. さらにこの手法の実用面での問題点を検討して, 測定上の注意点や結果の有意性を明らかにした. さらに不連続性岩盤の安定解析に最適な新しい解析手法を考察し, 実用面での考察を行った.
|