研究分担者 |
加藤 光昭 九州工業大学, 工学部, 助教授 (90039107)
迎 静雄 九州工業大学, 工学部, 教授 (20039027)
裏垣 博 大阪大学, 工学部, 助手 (10107138)
平山 一男 大阪大学, 工学部, 助手 (60029147)
廣瀬 貞雄 大阪大学, 工学部, 助手 (20029078)
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研究概要 |
放射線透過試験では, どの程度の寸法の微細欠陥が検出できるかについて十分に研究されていない. 溶接部に出現する微細欠陥のうち, 塊状欠陥の代表例として円筒状欠陥について, また, 板状欠陥の代表例としてスリット状欠陥について, それらの欠陥の検出限界を透過写真上における欠陥の濃度分布面積を用いて定量的に検討した. また, 円筒状欠陥とスリット状欠陥の検出限界となる寸法の対応関係を検討するために二重露出撮影方法により透過写真のコントラストを変化させるとともに, 回転撮影方法により放射線の照射方向を変化させて実験を行った. 超音波探傷試験では, 対象となる溶接部に発生しやすい欠陥の種類や位置及び寸法に応じて検出すべき欠陥の形状・寸法を定め, その検出もれがないように試験方法, 試験条件を設定することが重要である. しかし, その条件で目的とする欠陥を検出できることを確認するためには, 自然欠陥に近い形状・寸法の人工欠陥を任意の位置に内蔵させた試験片が必要となる. そこで, 拡散接合により任意形状の平面欠陥及び球状欠陥を挿入する方法を開発した. 軸比と向きの異なる楕円形平面欠陥及び球状欠陥を含む試験体に斜角探傷法を適用したところ, 所期の目的を達していることが明らかになった. 磁気探傷試験では, 極間法を用いて磁化した際の欠陥の寸法を定量的に推定するための新しい方法を検討し, 次に, 欠陥の定量化に際して重要である漏洩磁束密度に影響を及ぼす因子について検討した. 有限要素法を用いて得た漏洩磁束密度の水平成分及び垂直成分の最大値と欠陥の幅及び深さとの関係から, 欠陥寸法を推定する場合には図式解法が有効であることを示した. 欠陥の長さ約30mm以上になると無限長と考えてよく, それより短くなると次第に漏洩磁束密度は減少し, 5mmになると無限長の欠陥の約65%程度に減少することが明らかになった.
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