研究分担者 |
小川 武範 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (80029264)
恩藤 知典 神戸大学, 教育学部, 教授 (40033568)
鈴木 寿雄 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (90114165)
佐伯 敬一 武庫川女子大学, 文学部, 教授 (80030534)
小塩 高文 芦屋大学, 教育学部, 教授 (20046676)
永岡 慶三 神戸大学, 教育学部, 助教授 (90127382)
池本 洋一 東京家政大学, 教育学部, 教授 (30014624)
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研究概要 |
近年の科学技術の進展は, 科学と技術の学際領域の開拓と両者の総合化の成果であるとともに, その著しい進歩, 普及は産業構造の変革を求めるばかりでなく, 市民の日常生活までも科学技術の広範なシステムの一環としてかかわりをもつに至った. この実態にもかかわらず, 従来学校教育における科学教育は原理・法則の概念的な認識学習に終わって, 日常の具象と実証的に結びつかず, 一方技術に関する教育は実践・体験を重んじるあまりに, 技能・工作学習に偏ってその基礎となる科学性に欠けて来た結果, 両者ともにその教育効果を上げることができず, 学習者に疎外感を与えて来た. この現状にかんがみ, 市民の教養・常識として, 学校教育における科学技術教育の総合体系化をはかり, 科学を技術にそして日常の具象に結びつける筋途をわからせる教育課程の編成を試みた. 両者を融合する教育課程として「物質(材料)」, 「エネルギー」, 「情報」, 「生命(環境)」および全般にわたる「システム」的思考の5つの分野系列に分け, 現行の初等・中等教育の理科教育の学習課程の各項目についてそれぞれの分野系への適合因子を抽出して表示した. 理科教育の全課程を通して, 物質, エネルギー, 生物・環境に関する概念把握はできるが, 材料, 流体, 生命及び効率等の具体性のある領域に欠けるところがあり, また情報に関する学習は現行の教育課程からは体系的には抽出されなかった. 現行の家庭(技術・家庭を含む)科教育は, 依然として男女の性差の払拭しきれない古典的な学習課程で, このままでは科学技術総合教育の体系の中に融合させることは適当でない. 抜本的な改編をはかって, 上記の科学教育に欠ける日常具象にかかわる領域の科学的かつ実証的学習課程を編成することが必要である.
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