研究分担者 |
阿武 聡信 九州大学, 教養部, 教授 (50038395)
山辺 時雄 (山邊 時雄) 京都大学, 工学部, 教授 (80025965)
諸熊 奎治 分子科学研究所, 教授 (40111083)
西本 吉助 大阪市立大学, 理学部, 教授 (20046949)
青野 茂行 金沢大学, 理学部, 教授 (70019438)
平尾 公彦 名古屋大学, 教養部, 助教授 (70093169)
岩田 末廣 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (20087505)
細矢 治夫 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (10017204)
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研究概要 |
Aグループ大野は電子相関を記述するための自然軌道の開発に, 平尾は波動関数のクラスター展開法を発展させて分子の解離過程を正確に記述できる波動関数理論の開発に, それぞれ良好な結果を得た. 中辻は対称性即応クラスター展開法により分子のポテンシャル面の研究に, また井早と渋谷は方法はちがうが線形ポリエンにおける電子相関について非常に有望な結果を得た. 青野はプロパディター法をヒュッケル軌道に応用して, 有機起伝導体の可能性を求める研究を行った. Bグループでは, 今村が摂動法に無限個の高次摂動項を取り入れる方法を開発して高分子と小分子間の相互作用の研究に有用であることを示し, 西本は励起状態におけるプロトン移動を広く論じて水素結合のより詳細な研究を引き出す基礎を作った. 諸態は精力的に化学反応の動力学を非経験分子計算によって追求し, 岩田は原子あるいは小さなイオンの水和に関して非経験的方法により計算を行い同時にイオンの加水分解や水素発生について知見を得た. 山辺(信)は光有機化学反応経路の解析を反応中保持される対称性を考慮して状態相関図の点から実行し, 山口は一重項酸素化反応における遷移状態及び中間体の理論的解析を行った. Cグループでは主として励起分子の構造と機能が取扱われた. 山辺(時)の原子珪素の水付加反応の反応経路解析, 足立のDV-Xα法による鉄酸化物クラスターの電子構造の研究, 樋口の芳者族化合物の零磁場分裂定数の計算, 藤村のファンデルワールス分子錯体の前期解離機構の解析, 細谷のグラフ理論による非交互炭化水素のスピン多重度の研究, 阿武のベンゼン分子の励起状態における振動解析, などすぐれた成果が得られた. 研究分担者全員の努力により初期の目的が十分達せられたと信ずる.
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