研究分担者 |
本庄 英雄 京都府立医科大学, 産婦人科, 助教授 (30110852)
宮保 進 福井医科大学, 医学部, 教授 (70019884)
沼沢 光輝 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (90006338)
吉沢 逸雄 北海道薬科大学, 薬学部, 教授 (80088864)
藤間 貞彦 東日本学園大学, 薬学部, 教授 (30001043)
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研究概要 |
本研究は, エストロゲンの活性代謝産物, カテコールエストロゲン(CE)の優れた測定法を開発し, その体内動態を明らかにすることを目的とした. 研究の進展上, 信頼度の高い標品の得難いことが一つの隘路となっていることから, まず抱合型CE並びにB環不飽和CE類を合成した. 体液中CEの測定は, クロマトグラフ法とラジオイムノアッセイ(RIA)法に代表される. 前者のうち, とりわけ有利な方法は電気化学検出高速液体クロマトグラフィーであり, これを用いてA環並びにD環抱合体の一斉分離の条件を確立すると共に, プレカラム誘導体化用にフェロセン試薬を開発した. 一方, RIA法では, 〔C-6〕ハプテンを用いる特異抗体の作製を試み, 優れたアッセイ系を確立した. CEの生合成, 代謝に関しても興味ある知見を得た. まず, エストロゲンの主代謝様式は2位および16α位水酸化であり, エキリン投与ラットの胆汁中主代謝産物も, 2位および16位水酸化体であることが明らかとなった. エストラジオール(E2)・17位抱合体の肝におけるA環水酸化は, 抱合型を保持したまま生起することを確認したが, このことはCEレベルの調節機構にD環の抱合が関与する可能性を暗示する. また, ラット乳癌におけのCEレセプター活性を検討し, 従来のエストロゲンレセプターとは異なる特徴的なCEレセプターの存在を示唆する結果を得た. さらに, 乳癌組織中でエストロン・サルフェートは低値を, 他方非結合型エストロゲンは高値を示す事実を見出した. 最後に, CEのヒトにおけるゴナドトロピン分泌抑制作用について考察し, 2-ヒドロキシE2にはほとんど作用が認められないのに反し, 4-ヒドロキシンE2はE2の60%の力値を示すことを明らかにした.
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