研究課題/領域番号 |
61304002
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生態学
|
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
木村 充 (木村 允) 東京都立大学, 理学部, 教授 (40087127)
|
研究分担者 |
増沢 武弘 静岡大学, 理学部, 助教授 (40111801)
清水 善和 (清水 喜和) 駒沢大学, 文学部, 講師 (50178993)
須藤 真平 金沢医科大学, 講師 (90148164)
船越 真樹 信州大学, 理学部, 講師 (10115371)
武藤 信子 東京都立大学, 理学部, 助手 (10112476)
|
研究期間 (年度) |
1986 – 1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | 島しょ生態系 / 帰化植物 / 遷移 / アカギ / リュウキュウマツ / ギンネム / 小笠原諸島 / 島しよ生態系 |
研究概要 |
本研究期間およびそれ以前に得られた結果をまとめると次のようになる。 1.10数年にわたる継続研究の結果、ギンネムは従来考えられていたほど在来植生に対する脅威的存在ではないことが判明した。健全な在来植生中に侵入していく力は持っていない。 2.ギンネム亜高木材は一斉枯死型の更新をおこなう。ギンネムの林令は古いもので40数年に達するが、これが一斉枯死の段階に入っている。 3.この一斉枯死に乗じて在来植物がここに侵入する可能性がある。現実にそれが行なわれるか否かは、その地に種子を散布し得る母樹の存否にかかわっている。 4.野生ヤギの影響によって林床にギンネムや在来植物の稚樹が成立し得ないギンネム林は、一斉枯死によって草地へと進行遷移する。ここに木本植物が侵入し森林となるには、かなりの長期間が必要と考えられる。 5.リュウキュウマツは在来植物と調和して共存できる。リュウキュウマツ優占林の中・下層は在来植物から成り、近年のリュウキュウマツのマツ枯れの進行により、比較的急速に在来種優占林へと遷移しつつある。ただし林分によってはアカギの侵入をうけている。 6.アカギは在来植生にとって最も脅威的な外来植物である。小笠原の代表的な湿性高木材であるウドノキ・ホルトノキ群集は急激なアカギの侵入を受けている。アカギの肥大成長は他の樹種よりはるかに速く、母島桑ノ木山植生の一部林分は、すでに胸高断面積の過半をアカギによって占められている。 7.アカギが何らかの原因で衰退する兆候は現在のところ全く認められない。早急に何らかの対策が必要である。
|