研究分担者 |
西田 治文 国際武道大学, 体育学部, 助手 (30164560)
植田 邦彦 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (60184925)
角野 康郎 神戸大学, 教養部, 助手 (90127358)
山下 貴司 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (50011606)
田村 道夫 神戸大学, 理学部, 教授 (00029646)
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研究概要 |
1.西田誠は北海道産の白亜系の球果をはじめとする数々の生殖器官を発見した. 球果としては, 新属パラタイワニア, パラグリプトストローブスエゾセコイアを確認し, その他, マツ科, ヒノキ科の球果に夫々3および2属を認めた. さらに, ナス型の外見をもった双子葉類の果実を発見, その類縁を目下, 考究中である. この成果の一部は, 植物分類学会大会(水戸市1988年3月)において発表した. 2.田村は, ハボロハナカセキの属すると思われる多心皮類の花形態学について, 特に心皮について, ハボロハナカセキを論評しつつ考察した. 3.山下は, 単子葉類, 特にツユクサ目とイネ目の胚発生, 特に幼根の発達について研究, その成果について国際植物学会議(ベルリン)において, 討論講演を行った. 同時に, ラン科, ハクサンチドリ連の地下器官について研究, 成果の一部は国際寄生植物シンポジウム(マルブルク)において発表した. 4.角野は, 花と昆虫の共進化について研究し, 古植物の受粉生態学について考察した. 特に虫媒の起源や白亜紀における受粉について考察した. また, それを通じてハボロハナカセキの受粉様式をも類推した. 5.岡本は, 多心皮類と対立的なもう一方の原始的双子葉類, 尾状花序類の祖型における花弁の有無について考察した. 6.植田は, 多心皮類の植物地理学的考察を行った. 特にハボロハナカセキが類縁をもつといわれるモニミア科をゴンドワナ要素と考え, それが白亜紀には日本にも分布していたことは, 特筆大書するに値すると考えた. 7.西田治文は, ハボロハナカセキに関する研究を一応完成させた. 特に花柄から子房(心皮)への維管束の支向を復元し, かつ胚珠のつき方をも復元した.
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