研究課題/領域番号 |
61304024
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
原田 浩 京都大学, 名誉教授 (30026497)
|
研究分担者 |
岡野 健 東京大学, 農学部, 教授 (30011927)
深沢 和三 北海道大学, 農学部, 教授 (40001408)
則元 京 京都大学, 木材研究所, 助教授 (20027163)
藤田 稔 京都大学, 農学部, 助教授 (60026599)
佐伯 浩 京都大学, 農学部, 教授 (40026498)
|
研究期間 (年度) |
1986 – 1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1987年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1986年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
|
キーワード | 木材組織 / 木材の形態解析 / 周期構造解析 / フーリエ変換 / 木材の音響特性 / 木材の視覚特性 / 木材の誘電特性 |
研究概要 |
本研究では、木材を周期構造の集合物として捕らえ直すことにより、木材研究に新しい展望をもたらすことを目指している。そこでまず、(1)周期構造を生み出す樹木の生育環境と年輪周期の形成過程、 (2)マクロからミクロにわたる木材の三次元的形態の周期性の解析、 (3)周期性に起因する木材材質の発現、具体的には木材材質の異方性解析の重要な手段である誘電特性、材面に現れわる視覚的な木理、楽器材において重要な意味を持つ音響効果などについての検討、 (4)木材の主要成分分布の周期性とくに細胞壁中での微細配向、など項目についてこれまでの研究を見直すとともに、新しい研究を開始した。そして形態的な周期性の検出と解析には、従来の顕微鏡観察法に加えて、コンピュータを利用した画像解析法やフーリエ変換の手法が導入された。その結果、樹木の生育に関与する環境条件を年輪周期構造の解析から読み取る糸口が得られた。そして木材の細胞構成が織りなす三次元的異方性に光学的フーリエ変換法が活用され、針葉樹の仮道管配列の特性すなわち放射方向と接線方向の配列に加えて、斜め方向の並びが検出され、同時に任意の方向における配列の数量的評価が可能となった。またこれまで極めて曖昧な把握にとどまっていた放射組織の分布についても明解な特性が解明された。この様な形態的周期性と関連して、木材の物性が検討され、楽器用材における伝統的な木材の木取り法の効果や、誘電特性における木材構造の異方的周期がシュミレーションで実証された。さらに木材の製材面に現れる木理パターンについても、コンピュータによる年輪周期の人為的操作により表現できるようになった。成分分布においては、長年の課題であるセルロースミクロフィブリルの面配向の可能性が指摘され、リグニンの多様性と年輪内変動についての新しい問題提起がなされた。
|