研究分担者 |
小崎 俊司 大阪府立大学, 農学部, 助手 (10109895)
浅尾 努 大阪府立公衆衛生研究所, 主任研究員 (00250318)
品川 邦汎 岩手大学, 農学部, 助教授 (60133906)
植村 興 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (40081591)
浅尾 努 大阪府立公衆衛生研究所, 主任研究員 (00250316)
浅尾 努 大阪府立公衆衛生研究所, 主任研究員 (00250317)
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研究概要 |
食中毒発生時における, 細菌毒素が果す役割について, 原因毒素ごとに, 毒素の分子構造に立脚しながら, その作用機序を分子レベルで考察した. それとともに, 食中毒の診断・予防の一助となるべき毒素の検出方法について検討した. ボツリヌス菌毒素では, G型毒素の精製に成功し, AからG型までの各毒素が, 神経毒と無毒成分の複合体毒素構造を持つことを明らかにした. 神経毒が, 分子量が約50,000ずつのL・H-1・H-2の3種のフラグメントから構成されていることを立証した. 各フラグメントは機能が異なり, H-1は毒素の膜内侵入に, H-2は膜レセプターとの結合に関与した. 動物体内では毒素の抗原性が長時間保持されることを実験的に証明し, 毒素の検出方法に新しい考え方を導入した. ウェルシュ菌エンテロキシンに対し, 毒素のレセプターへの結合を阻害することなく, 毒素活性を中和するモノクローナル抗体を得た. また, レセプターとの結合能は持つが, 毒性のないフラグメントを単離した. この事実は, 毒素分子上に, レセプター結合部位と毒素作用の本能に係わる部位があることを意味する. 抗原性の異なる2種類のエロモナスヘモリジンを精製した. ヘモリジンに下痢原性があることを確認した. ヘモリジンの溶血活性と下痢活性を同時に中和するモノクローナル抗体が得られた. このことは, 2つの活性が毒素分子中の同一の抗原決定基によって担われていることを示す. セレウス菌下痢毒の精製方法を確立した. 精製後の毒素は失活しやすいことが解り, モノクローナル抗体をまず作製し, 毒素の抗原構造の解析をした. 黄色ブドウ球菌の嘔吐毒エンテロトキシンに対し, モノクローナル抗体を作製した. クロマト担体にモノクローナル抗体を結合させ, イムノアフィニティークロマトグラフィーを行い, 1ステップで70%以上の回収率を示すエンテロトキシン精製法を開発した.
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