研究分担者 |
三木 直正 金沢大学, がん研究所, 教授 (40094445)
佐武 明 新潟大学, 脳研究所, 教授 (70018589)
加藤 兼房 愛知県コロニー発達障害研究所, 部長 (50022801)
加藤 尚彦 東京大学, 医学部, 助教授 (80010023)
内村 英幸 国立肥前診療所, 所長
UCHIMURA Hideyuki Center for Emotional and Behavioral Disorders Hizen National Mental Hospital (50028346)
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研究概要 |
神経系は発生期, 成熟期を通じ, ニューロンとグリアが相補的に活動する事実と, 相補的活動機構の各面とが明らかにされた. 詳細については以下のように3項目に大別される. 1.細胞の構成成分および代謝の特性-神経機能に深く関与すると考えられるガングリオシドは, 旧口動物体には含まれていない. これらではガンゲリオシド類似の酸性スフィンゴ糖脂質が機能的代用を行っていることを発見した. さらにその1群の構造を確定した(佐武). 神経伝達物質の合成酵素を指票に超微量分析法を用い, 哺乳動物の成熟ニューロンのホルモン応答, 病態時などの特性を明らかにした(加藤尚). 免疫化学的手法により, S-100タンパク質の組織分布, 濃度変動, 細胞外遊離を追跡し神経系におけるその機能をつきとめた(加藤兼). 2.液性因子による細胞間相互作用-神経芽腫細胞の産生するグリア細胞増殖抑制因子, グリア細胞の産生する神経芽腫細胞増殖抑制因子の生物学的, 物理化学的特性を決定した(田中). ニワトリ胚毛様体神経節の突起伸展を引き起こす因子と, その受容体の諸性質を明らかにした(三木). 神経成長因子の中枢ニューロン機能きの活性化および維持が特異的であり, 単に末梢ニューロンの突起伸展にのみ関わっているのでないことを示した(畠中). 3.中枢神経の総合的活動-カテコールアミン合成の律速酵素チロシン水酸化酵素が, ニューロン活動度と平行して消長する事実に着目し, 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンの中枢神経における作用を調査した. このホルモンが酵素誘導することを発見し, さらに動物の自発運動量増加は黒質一線条体ドーパミンニューロン系の関与によることを確かめた(内村).
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