研究課題/領域番号 |
61400003
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
森泉 豊栄 東京工業大学, 工学部, 教授 (80016534)
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研究分担者 |
塩川 祥子 静岡大学, 工学部, 助教授 (50016599)
岩本 光正 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40143664)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
34,500千円 (直接経費: 34,500千円)
1988年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
1987年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1986年度: 19,500千円 (直接経費: 19,500千円)
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キーワード | 分子電子工学 / バイオセンサ / LB膜 |
研究概要 |
本研究は分子電子工学の具体的デバイスとして、タンパク質分子膜(LB膜)を使った固体化バイオセンサを開発することを目的とした。まず、タンパク質LB膜の成膜法の確立に努めた。LB成膜装置を使い脂質膜に酵素分子を吸着させ、それを基板上に累積する。その際、脂質膜の種類、酵素分子の比、活性、吸着時の表面圧、吸着・累積過程を変え、酵素LB膜の活性、分子数、膜構造(電子顕微鏡観察)、バイオセンサ感度などに与える影響を調べた。主に、GOD(グルコース酸化酵素)について検討したところ、脂質膜と酵素の荷電状態が逆極性になるように膜材料、水相のpHを選び吸着の静電力を高めること、酵素を吸着後に単分子膜を広げさらに再圧縮することが、特性の良いGOD・LB膜を得るために有効であることがわかった。また、LB膜を使った世界で初めてのバイオセンサとしてグルコースセンサを試作したところ、LB膜の層数を変えれば5ー5000mg/dlという広い測定濃度範囲をカバーできる、繰り返し使用回数は百回以上という実用的な性能を示した。次に、酵素分子の高次構造と膜特性の関係を調べたところ、高次構造がある程度変性した酵素の方が界面吸着しやすいため脂質膜に安定して取り込まれ、累積時の表面圧印可により高次構造もある程度復活するため、バイオセンサ用LB膜として優れていることがわかった。この結論は常識に反する結果であるが、LB法が界面現象を使っていることから妥当と思われる。最後に、タンパク質LB膜をさらに高度に利用するために、フェロセン誘導体の脂質膜にGOD分子を吸着させたミディエータ機能付きグルコースセンサ、およびインシュリン抗体を固定化したLB膜とアルコール脱水素酵素の化学増幅機能を使ったインシュリンセンサなどの試作に成功し、タンパク質分子膜を使った固体化バイオセンサの将来性を示した。
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