研究分担者 |
篠原 徹 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 助教授 (80068915)
上野 和男 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 助教授 (80062008)
福田 アジオ 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 教授 (60120862)
小島 美子 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 教授 (20183337)
山折 哲雄 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 教授 (40102686)
坪井 洋文 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 教授 (00052085)
|
研究概要 |
本研究は博物館における民俗展示が, 高度な学術研究を基礎として, それを展示という形で公表し, 教育的役割を果たすための展示の理念と手法を明らかにしようとするものである. 従来はややもすると研究と展示を別個のものと理解し, また, 展示が教育的観点からのみ論じられ, 展示も研究活動と一体であるという視点が欠如したいた. こうした点を克服することが根本問題であり, そのためには, 研究成果が生き生きしたかたちで訴える展示のあり方が課題となる. すなわち学術資料をもって感性に訴えるための理念と手法が求められる. ここに展示の構造化の研究課題が生じる. こうした問題を共同研究の結果, 総合博物館, 歴史博物館, 民俗博物館などでは, 多くは各分野が細分化され, 統合的把握, 資料の統合性がむつかしい. むしろ個別博物館の方が構造展示が可能であり, すでに実践されているところのあることを確認した. そこから民俗展示の構造化に関する方向性と手法の一斑が把握できた. まず第一に主題の設定があり, つぎにその主題にそって資料の選択がなされる. そのさい学術性, 象徴性をもつ資料の選択が必要であり, それを構造化する場合, 空間と時間の統合的認識しなければならない. そのためには文献形態, 遺物形態, 絵画形態さらに自然科学的資料をも有機的に結合させねばならない. そうした展示を観客の感性に訴える一手法として, 情景再構成手法が考えられる. こうした点について, 研究分担者が討議の上で問題を整理して, それぞれテーマを掲げて『研究成果報告書』において提示した.
|