研究課題/領域番号 |
61410012
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
中国語・中国文学
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
内山 知也 筑波大学, 文芸・言語学系, 教授 (80054766)
|
研究分担者 |
堀池 信夫 筑波大学, 哲学・思想学系, 助教授 (10091927)
樋口 靖 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 助教授 (90110577)
松本 肇 筑波大学, 文芸・言語学系, 助教授 (40128814)
向嶋 成美 筑波大学, 文芸・言語学系, 助教授 (50015393)
|
研究期間 (年度) |
1986 – 1987
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1987年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1986年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
|
キーワード | コスモロジー / 対句 / 韻律 / 道教 / 仏教 / 時間 / 空間 |
研究概要 |
本研究の成果は三つの側面にわたって獲得された。 1中国文学における人間と宇宙との関わりについて。(1)松本助教授が李賀の詩を対象に、李賀がシャーマン詩人であるという視点に立ち、その天上飛行と地下潜行の情熱が、天上・地上・地下の三つの宇宙域を交通するシャーマンの想像力の所産であること、及び、シャーマンがエクスタシー達成の手段として用いる馬と剣のシンボリズムについて考察した。(2)内山教授が唐代小説を対象に、鬼神が「忽」という語に導かれて突然出現する表現意図、及び晩唐の小説集を中心とする鬼の描写方法の考察を通じて、小説に現われる多様な宇宙観を解明した。 2言語自体の持つ構造について。(1)向嶋助教授が六朝時代の文学に現われた対句構造を具体的に分析しながら、対句の要素としての広範な世界の現象が天・地・人などに区分された類書の分類の枠組みに対応しており、中国の対句は中国人の世界認識と深く関わっていることを明らかにした。(2)樋口助教授が中国詩における韻律の構造の分析を通じて、四声と平仄の違いを言語学的概念として文芸学的概念、あるいは原理論と応用論の違いとしてとらえる視点を提示し、又、平声と仄声の対立をピッチの対立と見なし、前者は低調、後者は高調であると規定し、更に二次的特徴として平声の「延長可能性」という概念を提起した。 3文学作品の形式自体に包含される宇宙観について。堀池助教授が鄭玄の『詩譜』の構成法をめぐって、それが『毛詩』中のすべての詩篇を、時間・空間・政治倫理を三つの軸とする三次元的構造に組織化するものであること、及び、宇宙と人間をつらぬく経学の理念の体系を構想した「三礼体系」の中の、人間の礼教世界を開示するものであることを明らかにした。
|