研究課題/領域番号 |
61420008
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藤井 忠男 神戸大学, 理学部, 教授 (50013355)
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研究分担者 |
高橋 美貴 神戸大学, 自然科学研究科, 助手 (00183856)
本間 康浩 神戸大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (90107988)
横山 千秋 神戸大学, 理学部, 教務職員 (30093537)
福嶋 裕 神戸大学, 理学部, 助教授 (30030779)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
33,500千円 (直接経費: 33,500千円)
1988年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1987年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1986年度: 25,400千円 (直接経費: 25,400千円)
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キーワード | チャーム及びボトム粒子 / 遷移輻射検出器 / 電子識別 / 遷輻射検出器 |
研究概要 |
高エネルギーハドロンー原子核反応による重いクオーク生成実験(FNAL.E653)において重いクオークからの崩壊電子の検出・識別効率の向上を図る為に、この既存の実験装置に組み込み可能な遷移放射検出器(TRD)の開発研究を行った。 先ず初年度は数種類の物質の厚さの異なるfoilやfibreからなる輻射体を試作し、x線検出器として開発した小型のXeガスMultiwire Proportional Chamber(MWPC)と組合わせた試験器をKEK-PSの数Gev/c領域のπ/e混合ビームで照射してその性能を調べた。このテスト実験により輻射体としては18μm厚のPolypropylene foil350枚が最適であり、このTRD4台を用いれば数Gev/c領域の電子検出効率90%に対してπの混入率を5%以下に押さえられる目途がついた。また多層膜からの遷移放射強度は3Gev/c以上の運動量で飽和することも実験的に確認した。この結果に基づき次年度以降は60cm×60cmの有効面積をもつ実器の設計・製作に取りかかり、大型化に伴う種々の問題点を検討してその解決法を考案した。まず輻射体の密度均一性を保持する為にpolypropylene foilに熱変形による突起構造をつくることにより、簡単且確実に広い面積にわたって一定間隔で積み重ねる技術を開発した。次に大型MWPCで使用するXeガスと空気の密度差に起因する電場の不均一性を回避する為にCathodeにAluminized Mylarを用い、更にその平面性を保持する補強材として発泡スチロールを窒素バッグで僅に加圧する方法を採用した。その結果Cathode面の平面性を±10μm以内に納めることができ、ガス増幅率に換算した変化の幅も±0.6%以下となった。この実器を再びKEK-PSのビームを用いてテストした結果、4台の実器TRDを積層して用いれば3Gev/cの電子検出効率90%に対してπの混入率を3.5%以下に押さえられ、しかもこの性能は60cm×60cmの検出器全面にわたり一様であることが判った。これにより本開発研究の所期の目的はほぼ達成された。
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