研究概要 |
温度環境制御装置およびサーボ型アクチュエータの制御システムを開発し, これを用いて各種の実験を行い, 以下に示すコンクリートおよび鉄筋コンクリートの一般化された構成則を構築した. 1.無筋コンクリートの構成則 (1)一軸引張応力下における破壊基準を載荷時間と環境温度の関数で記述することができた. (2)一軸圧縮応力下における構成方程式を載荷時間と応力経路の関数として統一して記述することに成功した. (3)多軸応力下における構成方程式を要素の弾塑性破壊の概念によって統一的に記述できた. 2.鉄筋コンクリートの構成則 (1)鉄筋とコンクリートとの付着に関して, 付着応力と相対変位の関係にひずみ量の影響を入れた構成方程式う導いた. この構成方程式は, コンクリート強度, 鉄筋径の如何にかかわらず, 片引き試験・両引き試験・長埋込み定着試験など各種試験に広く適用可能な一般的な構成則である. (2)ひびわれた鉄筋コンクリート板要素が交番繰返し載荷を受ける場合の構成則を, コンクリートの引張剛性・ひびわれ平行方向のコンクリート圧縮剛性・ひびわれ面できせん断伝達に関する昨年度の研究成果に基づいて作成した. この構成則は既発表の板要素についての実験結果のすべてを正しく評価できる. (3)(1)と(2)とを組合わせて, 鉄筋コンクリート壁の解析を行う有限要素プログラムを開発し, 我々の一般化構成則の適応を評価した結果, 極めて満足すべきものであった.
|