配分額 *注記 |
15,200千円 (直接経費: 15,200千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1986年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
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研究概要 |
核融合炉核設計において重要な(n,2n)反応断面積の新しい測定手法の開発を行った。本手法は、^3He計数管30本を減速材中に配置した^3Heカウンターバンク型検出器を用い、その中央で発生した中性子の信号時間間隔分布を統計処理することにより(n,2n)事象を抽出するもので、ほとんど全ての核種に適用可能なことと検出効率が高いことが特徴である。 1.^3Heバンク検出器とその遮蔽体設計のためにモンテカルロ中性子輸送コードを整備・拡充し設計計算を進めた。検出器信号処理、時間間隔分布測定用電子回路の設計・制作を行った。 2.上記コードにより、^3Heバンクの検出効率と中性子寿命分布の最適化を進め諸元を決定した。検出器はポリエチレンブロックを用いたモデュール構造とし、種々の実験条件に対応できるよう構造に柔軟性を持たせた。 3.信号を統計処理し、(n,2n)断面積とその誤差を導出するデータ処理手法を定式化しコード化した。 4.上記と平行し、^3Heバンクのデータから(n,2n)断面積の導出に際して不可欠な(n,2n)反応中性子のエネルギー分布について測定と解析を進め、重要核種の新しいデータを得た。 5.制作した検出器システムと遮蔽体の性能試験を行い、必要な改良を進めた。14MeVにおいて(n,2n)反応の測定に適用し、ほぼ所期の性能を得た。データ解析を行い、Be,Pbなどの(n,2n)断面積データを得た。 6.開発した検出器と手法は、(n,2n)反応のみならず、(n,3n)反応、核分裂中性子数など、他の手法では困難な測定にも有用であることが分かった。今後、(n,2n)反応測定の高精度化とともにこれらへの応用を進める。
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