研究分担者 |
米田 憲司 原子炉実験所, 原子炉研究部門, 助手 (10027443)
三島 嘉一郎 原子炉実験所, 原子炉熱特性管理研究部門, 助教授 (60027472)
藤根 成勲 原子炉実験所, 原子炉研究部門, 助手 (90027441)
西原 英晃 原子炉実験所, 原子炉熱特性管理研究部門, 教授 (50025920)
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研究概要 |
初年度では, 実時間中性子ラジオグラフィの高感度化・高解像度化の実験と非加熱方式の気液二相流の実験をそれぞれ個別に実施した. 高感度化では, 静止画像ではイメージインテンシフアイアの使用で充分な画像が得られたが動画像には輪郭や平均化処理, 擬似カラー処理などのディジタル画像処理の方が有利であった. また, クローズアップ法により, これまでの半分の0.25mmφのカドミウム板の小孔が識別できるようになったが, これ以上は中性子束との兼合いでほぼ限界であった. 気液二相流実験では, 光学的な方法で二相流を高速ビデオ装置を用いて撮影し, 画像処理法を応用して流動様式線図の作成, 平均ボイド率, 気液界面積濃度を測定して画像処理法の有効性を確認した. 本年度の研究では, この光学的な方法の結果をもとに, さらに画像解析を進め, 従来の方法である点電極法のボイド率測定や気液界面積測定の理論値と比較してよく一致した結果を得た上に, 高流量域までの測定が可能となった. また, 平均ボイド率と気液界面積濃度には強い相関関係があり, 各流動様式について相関式が求められた. 中性子ラジオグラフィ法では, 金属製矩形流路内の水・空気二相流の画像化によって流動様式が直接的に観測できるようになった. これらの実時間画像は, 気液界面積の測定, 気泡速度の正確な測定にはまだ画質が不充分であったが, 流動様式の判定, 平均ボイド率の測定には充分であり, 画像処理法の導入によって理論値とよく一致する結果が得られた. 今後, より高性能の蛍光コンバータの開発やより強い中性子源の利用によって中性子テレビジョン画像の画質を改善して, 他のパラメータを測定するとともに, 加熱式ループの気液二相流の研究も実施する計画である.
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