研究課題/領域番号 |
61440003
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物形態・分類学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
千原 光雄 筑波大学, 生物科学系, 教授 (60000147)
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研究分担者 |
堀 寛 広島大学, 医学部, 助教授 (60116663)
横浜 康継 (横濱 康継) 筑波大学, 生物科学系, 教授 (50015583)
猪川 倫好 筑波大学, 生物科学系, 教授 (50015541)
堀 輝三 筑波大学, 生物科学系, 教授 (90057563)
井上 勲 筑波大学, 生物科学系, 講師 (70168433)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
21,700千円 (直接経費: 21,700千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1987年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1986年度: 13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
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キーワード | プラシノ藻 / 系統・分類 / 多層構造体 / 交叉型鞭毛根 / 細胞分裂 / グリコ-ル酸代謝酵素 / カロチノイド色素 / 5SrRNA / グリコール酸酸化酵素 / 系統 / 光合成色素 / 鞭毛装置 / 緑色植物 / 緑色鞭毛藻 / 緑藻類 / プラシノ藻類 / 系流 / 分類 / 微細構造 / 5S〓RNA / 細胞分裂様式 / 光合成代謝産物 / 5srRNA |
研究概要 |
緑色植物の起源生物の遊走細胞は、形態的には、高等植物に直接つながる系統群であるシャジクモ綱と多層構造体(MLS)を、また緑藻綱およびアオサ綱と交叉型鞭毛根系を共有すると考えられる。これまでに研究班で単離培養した藻株約200株のうち、Cymbomonas、pterospermaおよびParasinopapillaの三属でこのような中間的な性質が確認された。これら三属はいずれもプラシノ藻pyramimonasと類縁を示している。研究をピラミモナス系統群に絞って行った結果、この藻群では鞭毛打法から繊毛打法へ、後方遊泳から前方遊泳への進化傾向が認められた。一方、分裂様式は大変多様性に富み、そのうちの一つは核膜が完全に崩壊する高等植物型のそれであること、グリコ-ル酸代謝酵素の調査の結果から、Pterospermaはシャジクモや種子植物と同様にグリコ-ル酸オキシダ-ゼを使用していること(緑藻綱やアオサ綱ではグリコ-ル酸デヒドロゲナ-ゼ)、そして痕跡的ながらクロロフィルa.bとともにクロロフィルcをもち、また他の緑色物では認められない多くのカロチノイドを有していることが明らかになった。さらにピラミモナス系統群の一員であることが本研究で明らかにされたMamiellaについて5SrRNAのヌクレオチドの配列の決定を行い、既知の緑色植物と比較したところ、緑藻綱、アオサ綱、種子植物群より初期に分岐したことも明らかになった。 以上の結果から、プラシノ藻類特にピラミモナス系統群は、細胞構造、分裂様式、代謝系、色素組成の点できわめて多様であり、さまざまな点で高等緑色植物群の綱のレベルの形質を合わせ持っていることが明かである。そして、そのなかのピラミモナス系統群では、すべての高等植物群と直接の類縁を示す形質が残存しており、これらの藻群を生みだした祖先生物の子孫であることがほぼ確かめられた。
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