研究課題/領域番号 |
61440024
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小川 和朗 京都大学, 医学部, 教授 (20077556)
|
研究分担者 |
野田 亨 (野田 享) 京都大学, 医学部, 助手 (50156204)
酒井 眞弘 京都大学, 医学部, 助手 (40183363)
藤本 和 京都大学, 医学部, 講師 (50159125)
藤本 豊士 京都大学, 医学部, 助教授 (50115929)
|
研究期間 (年度) |
1986 – 1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
31,000千円 (直接経費: 31,000千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1986年度: 20,000千円 (直接経費: 20,000千円)
|
キーワード | ギャップ結合 / カルモデュリン / 極低温電顕 / Ca^<++>-ATPase活性 / コネクソン / Ca^<++>ーATPase活性 / クライオトランスファーホルダー / 低電子線損傷 / 凍結超薄切片方法 / 細胞分画法 / 電顕細胞化学 / カルモジュリン |
研究概要 |
本研究は、生体内における細胞間物質移動に重要な役割を果たす細胞間接着装置であるギャップ結合の構造と機能の解析を電顕細胞化学的手法を用いて行ったものである。 昭和61年度は、ギャップ結合の機能調節に関与すると考えられているCaイオンに特異的結合能を有するタンパク質の1種であるカルモデュリンの細胞内結合部位を細胞化学的に検出する方法を開発し、ラット心筋と肝細胞ギャップ結合の細胞質に面する表面にCaM結合部位が存在することを証明した。 昭和62年度は、ギャップ結合の超微細構造を出来るかぎり生態に近い状態で観察するため、試料の急速凍結後、凍結超薄切片上で心筋あるいは肝細胞間のギャップ結合を、クライオトランスファーホルダーを用いて、試料温度-160℃にて電顕観察を行った。さらに、分離ギャップ結合も同様に極低温電顕観察した。ギャップ結合の構造上の単位であるコネクソンの分布様式、その平均直径などは極低温電顕像と通常電顕像では、かなり異なることが証明された。 昭和63年度は、ギャップ結合に存在すると考えられているCa^<++>-ATPaseの活性局在を分離ギャップ結合上に検出し、極低温、低電子線損傷下にて電顕観察した。酵素活性局在部位を示す反応産物は、コネクソンの周囲をその中心部に均一に観察されたが、対照実験として行った通常電顕による観察では、反応産物は、極低温電顕像と比較して不均一に分布していた。 以上の所見は、ギャップ結合がカルモデュリンを介在してCa^<++>により機能調節されているという従来からの仮説を細胞化学的に証明し、さらに、極低温電顕によるギャップ結合の観察が真の微細構造解析や酵素活性部位検出に有効であることを示している。
|